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記事: 第116回:『レヴュースタァライト、9周年を迎えて総括です!』

第116回:『レヴュースタァライト、9周年を迎えて総括です!』

1995年春にブシロード木谷社長に会って企画のことを聞いたことから始まった「少女☆歌劇 レヴュースタァライト(以降、レヴュースタァライト)」から考えると11年になるのですが、……でも普通に考えると2017年春の発表から考えると、9周年です。

 

いつも、時間はあっという間に来ると書いてしまいますが、やはり、あっという間の9年です。

舞台化、ライブ、アニメ放送、アプリゲームリリース、中等部の舞台、朗読、コンソールゲーム、パチンコ、パチスロなど様々な多層展開をしてきました。

この他に、ラジオ、コミック、グッズ展開と長く広く続けていると思います。

 

この9年のなかで、どうしても思い出すのは、20201月末から始まった「新型コロナ」の蔓延です。

 

4月の緊急事態宣言が発令し、外に出なくなった緊急自粛。

 

2020年春と言えば、劇場版の総集編「少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド」です。本来、529日に公開予定でした。でも、延期になったのです。

202087日日本国内28に映画館で公開です。

わたしは、総集編については、ほぼ制作にタッチしていません。

さらに、アフレコ、ダビングに参加していませんし、初号にも立ち会えていません。

参加スタッフはかなり絞って行ったのです。

 

だから、映画館で観るのが、わたしの初号でした。

 

テレビシリーズ12話の総集編ですが、新作もあります。

さらに、上下を切っているので、ビスタではなくシネスコサイズになっています。

テレビで見ていた映像と少しニュアンスが変わって見えるので、それは良かったです。

そして、「ロンドロンドロンド」の続きとして、新作描き下ろしの映画「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」は、来たるべき202164日に公開決定です。

 

わたしにとって新作の劇場版制作は、2019年のシナリオ打ちから始まっていました。

スケジュールを見直しても、2019年は毎週シナリオ打ち合わせが入っています。

そして、2020年春まで何らかの打ち合わせはありました。

 

新作の映画でやりたいことは、主人公の愛城華恋ちゃんを、普通の女の子にする、と言うか、等身大の女の子、血肉の通った女の子にしたいと言う強い願いがありました。

 

テレビシリーズの華恋は、パワー系のキャラクターとして、猪突猛進系の女の子になっていました。

物語の推進力を出すためのキャラクターとして設計されていたのです。

正直、アニメっぽいキャラクターです。

 

だから、こそ映画ではもっと普通の少女が一生懸命頑張っている人間として描くことを注視しました。

合わせて他の8名も、テレビシリーズで描けなかったことや、内面の深堀りをしています。

 

シナリオライターの樋口(達人)さんは、かなりの稿を重ねて書いたのです。

実際は、2021年春の編集時にも、アフレコ台本作成までセリフの改稿、修正をずっとやっていたので、長く付き合ったと思います。

本当に、ご苦労さまでした。

 

映画版のシナリオ打ち合わせは、テレビシリーズと違って制作会社キネマシトラスの別室の会議室で行っていました。

とあるビルの一角の部屋です。

玄関からなかに入ると、壁に、古川監督が描いたイメージボードがたくさん貼ってあります。

他のアニメーターさんが描いたボードも貼っています。

絵コンテのように描いている用紙もあります。

 

これらの絵が日々増えていくのです。

監督のやりたいことがとても分かりやすいのです。

 

ふと思いだします。

それは、「天空の城ラピュタ」のとき、スタジオジブリの社内の壁です。

そこには、宮崎(駿)監督が描いたイメージボード、カラーボードがたくさん貼ってあったのです。

 

監督の頭のなかにある絵を見ることが出来ると、ライターも、デザイナーも、プロデューサーもですが、映画そのものの予測が立つのはありがたいのです。

 

東京タワー、トラック、電車などのボードがあったことを思い出します。

 

古川監督は、元々アニメーターさんでもありました。

だからこそ、絵コンテの絵も、イメージボードの絵も、それは素敵なのです。

 

あと、思い出すのは、映画のキャッチコピーのひとつ。

「ワイルドスクリーンバロック」です。シネスコサイズで作画をしています。いわゆる、テレビシリーズのビスタサイズより幅が広いのです。

「ワイドスクリーン」が「ワイルドスクリーン」に?

「ワイルド」と言うことで、華恋ちゃんたちが、野生にかえるみたいな意味あいもあります。

あるいは、野生に放たれる?かな。

 

「バロック」の意味を紐解きます。

『強烈な光と闇、激しい動き、感情をむき出しにした人物表現——バロック美術は、観る者を圧倒する力を持つ様式です。

ルネサンスの均整や調和とは異なり、バロックは「感情を動かすこと」を最優先に発展しました。』と、ありました。

 

「感情をむき出しにする、感情を動かす」とあるのですが、華恋や他の8人が心を、感情を解放し互いにぶつけ合うことで、観るものに感動を生み出すと言うことになるのです。

 

とても、深い、哲学的意味合いもある映画になったと思います。

でも、観るものは感じるままに観れば良いと思うのです。


古川監督のメッセージはあるでしょう。

樋口さんのメッセージもあります。

 

でも、映画を観た視聴者は、ご自身が感じるままに、思うままに、楽しんでくれると嬉しいなと思います。

 

2021年春、アフレコは1回目だけ少しだけの時間伺いました。

30分くらいで帰りました。

まだコロナ禍において、自粛ムードバリバリの時代です。

声優の小山百代さんたち数名がいたと思います。

あの頃、全員集まってのアフレコはやれませんでした。12名がブースに入って収録だったのです。

コロナ禍のアフレコは本当に大変でした。

 

わたしは、最初の1回目だけ行きましたが、以降はダビング、初号も立ち会いに行きませんでした。

より絞ったスタッフで作っていきました。

 

202164日の上映日以降、映画館で観るのがわたしにとっての初号でした。

実際、初日に行ったのか?記憶が定かではありませんが、でも、初日か土曜日に行ったと思います。

本当に、初めて観るので、楽しかったです。

普通のお客様と同じです。びっくりして、笑って、感動しました。

 

シナリオを知っているわたしにとって、色々なシーンがカットされていました。

尺が長くて切られたことを知りました。

あとで、樋口さんに出会ったときに、随分切ったね、と伝えたら、台本のセリフ修正が大変でした、と言ったので、ご苦労さまと返すしかありませんでした。

 

最後に、わたしがセッティングしたのですが、映画のシナリオを書くにあたり、宝塚のOGふたりと、女性の舞台の演出家・座長のふたり、計4名にインタビューをしました。

 

古川監督、樋口さんとキネマシトラスの制作さんとわたしで会いました。

宝塚OG、元星組の男役「汐月しゅう」さん。

元雪組で男役の「冴輝ちはや」さんで、現在「森なな子」さんの名前で声優をやっています。

 

あと、ご自身の劇団を持っている座長さん。

舞台の脚本演出をやっているフリーの女性です。

このふたりの舞台は何度か観ていまして、観劇後に名刺交換もしていたのです。

 

まずは、宝塚を目指し音楽学校に入ったふたりの話は、なかなか興味深いものでした。

そして、汐月さんが1期上で、冴輝さんは下級生でふたりは良く知っている仲良しさんでした。

ちなみに、わたしは汐月さんの舞台は何度も観ており好きでどこにいるのかな?と探して双眼鏡で観ていたのです。

 

冴輝さんは5年で退団しているので、舞台上で見つけることは出来ませんでした。

 

おふたりの話から音楽学校時代の厳しさは、色々な本に載っているのですが、嘘ではないことが分かりました。

 

あと、演出家で座長さんは、高校時代から演劇部をやっているとか、舞台に上がる役者さんの思考から舞台を作るスタッフ側の思考と2名ずつ計4名の話はためになったと思います。

大場ななの何かとかぶる部分があるなあと感じながら聞きましたね。

 

当時、時間を作って会ってくださり、ありがとう御座いました。

 

さらに、宝塚東京劇場のゲネに参加したこともあります。

これも、古川監督、樋口さん。キネマシトラスの制作さんとわたしです。

汐月しゅうさんのマネージャーさんが、宝塚東京劇場に話しておくので、観ればと言うことで、宙組の舞台を観ました。

観客席にはスタッフしかいません。

お客さんは誰も座っていないのですが、ゲネですから、きちんとセットも衣装も、演奏も普通に進めるのです。

ただ、拍手がありません。

そして、終わった瞬間、演出家の先生の声が響きます。

マイクを使ってスピーカーから出るダメ出しや褒め言葉、修正の指示などです。

 

わたしは、お客さんの入った公演を観ていますが、座席に誰も座っていない、拍手がない舞台は、とても緊張感がありました。

お客さんの拍手って、本当に会場にエネルギー満ち溢れます。

役者さんたちのテンションも変わるって思います。

 

宝塚東京劇場のゲネを観れたことは、わたしにとってとても有意義でした。

でも、その後に、きちんとお客さんとして座席に座って、同じ舞台宙組の「オーシャンズ11」を観ました。

 

コロナ禍で、舞台が止まり、ライブもなくなり、映画も延期になりました。

さらに、映画館のお客さんの座り方も一列置きとか、ひとり空けるとか、独特なルールが生まれました。

あと、人々が外に出なくなり、映画館にも行かなくなりました。

 

もっと、もっとたくさんのお客さんに観てもらいたい映画「劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト」でした。

タラレバですが、コロナのない世界で、改めて映画を公開したいものです。

と、言うことで、今回で「レヴュースタァライト」の回は終わりになります。

 

是非、読者の皆さまも舞台観劇に挑戦してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

196153日生まれ。青森県出身。
1982
年日本アニメーションに制作進行として入社。1985年スタジオ・ジブリ『天空の城ラピュタ』制作進行。1987年サンライズ入社『ミスター味っ子』『勇者シリーズ』等、制作進行・設定制作・制作デスク・APを務め『新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA』からプロデューサー就任。『星方武俠アウトロースター』『GEAR戦士電童』『出撃!マシンロボレスキュー』『舞-HiME』『舞-HiME』他、オリジナルアニメーションを14作企画制作。
2011
2月企画会社、株式会社おっどあいくりえいてぃぶを設立。『ファイ・ブレイン~神のパズル』や『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で企画・プロデューサー。『少女歌劇 レヴュースタァライト』企画協力。20245月から『ふるさとPアニメ道』ブログ&YouTube動画配信中。20263月末からコミックノーラにて「貴姫さまの憂鬱~あやかし探偵事件簿」連載中。

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