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記事: 第50回:『クロスアンジュ、声優さんの選び方について語ります』

第50回:『クロスアンジュ、声優さんの選び方について語ります』

「クロスアンジュ~天使と竜の輪舞」は、企画の最初から声優「水樹奈々」さんが中心にいました。

 

わたしは、「勇者シリーズ」「GEAR戦士電童」「激闘!クラッシュギアターボ」などの玩具連動型のアニメを経験していますので、例えがおかしいかも知れませんが玩具が声優さんに切り替わっても、オリジナルアニメの作り方は基本変わらないと考えています。

 

本企画の中心にあるのは何か?です。

中心の柱を大事にする!です。

 

だからこそ、オリジナルアニメとして企画制作出来るわけで、これは本当にありがたいのです。と言うことで、本作は「水樹奈々」さんの声、演技をどう活かして届ける物語を、視聴者の皆さんを感動、サプライズ、楽しいと思ってもらえるか?です。

 

と言うことを前提にして、「クロスアンジュ~天使と竜の輪舞」の声優選びが始まります。

つまり、アンジュは水樹(奈々)さん。

いつもなら、主人公の声優選びで苦戦するのですが、今作は違うのです。

 

よって、悩むのはとなりに並ぶキャラ、ヒルダとサリアとなります。

いわゆる、水樹さんの声質と違う魅力的な声質を持ったふたりの声優さんをみつけることが必須です。

 

まずヒルダ役の声優さんをどなたにするか?です。

そこで、わたしは田村(ゆかり)さんを考えました。

1999年の「星方天使エンジェルリンクス」まで遡るのですが、田村(ゆかり)さんが準レギュラーで出演していました。そこで、声を聴いてますし、色々会話もしています。それから、2004年の「舞-HiME」「舞-HiME」で碧(ミドリ)を演じてもらっています。2007年「アイドルマスターゼノグラシア」「宇宙をかける少女」でも出演してもらっています。

一度聴くと覚えることができる個性的な、そして若干かすれ成分が入っている声質かなと思います。演技についても非常に魅力的です。

本作では、約17年後の久しぶりに一緒の仕事になりました。主役もバンバン経験していますのでより演技に深みがマシマシです。

 

サリア役は喜多村(英梨)さん。

喜多村さんとは、当時デビューして4年くらい10代ラストあたりの時期「舞-HiMEシリーズのCDドラマ龍の巫女」「舞-HiME0.sifl」「アイドルマスターゼノグラシア」に出演してもらっています。ここでも、わたしは直に声を聴いています。また、演技や普段の姿を見ていますので、喜多村さんの頑張り屋さんなのは知っています。

 

2007年辺りの喜多村さんは、演じるキャラクターが物語上虐げられ、そのなかで必死に生きてこころが揺れる芝居はとても良かったです。あの年代とキャリアだから出せるタイミングでもあったのかも知れません。

そこから、2014年本作のサリアとなるのですが、デビューして約10年経っていましたので、揺れる芝居などもより深みが増していました。

 

サラは、堀江(由衣)さん。2007年堀江さんとは「アイドルマスターゼノグラシア」で声質と演技を聴きました、見ました。

竜族の姫ですので、ある意味ファンタジーの存在です。アンジュを始めとする人間キャラクターに対して違ったアプローチでの声質が欲しいなと思っていましたので、そこにはまるのは堀江さんではないか?と考えたのです。

堀江さんのふわっとした声がファンタジー的だなって思ったのですが、何だか不思議とリアリティがあるのです。

お姫様としてリーダー格として前面に立って部下に指示をしているときなど、強さと説得力があるのです。

ファンタジーとリアリティのバランスが良い感じだと思うのです。

 

アンジュのメイドは、モモカです。モモカ役は上坂(すみれ)さんです。

デビューして3年くらいの頃に出演してもらいました。

まだ、新人時代にあたります。

わたしは、きっちり年齢やキャリアを調べたわけではないのですが、新人だと言うことは認識していました。

でも、マイク前の上坂さんのモモカは、もう少しだけ中堅に見えていました。

と、そこで、昨年別作品のアフレコでお話が出来たので、ちょっとだけ質問しました。

「クロスアンジュ~天使と竜の輪舞」のモモカ役のとき新人さんだったっけ?と。

すぐさまに、「わたし、新人でした。出番のときはドキドキしていました」と。

わたしは、そうは見えなかったと返したら、「え~!!」と驚いていました。

マイク前のたたずまいが少しだけ中堅に見えたのです。

アンジュの後ろで、明るさを振りまいてくれたモモカはとても素敵なキャラになったと思うのです。

 

ヴィヴィアン役は、桑島(法子)さんです。

桑島さんは、「舞-HiME0.sifl」に出てもらっているので声は知っています。

ヴィヴィアンは桑島さんと決めたのは、クリエイティブプロデューサーの福田(己津央)さんです。

わたしは、桑島さんはどのキャラクターでも演じることの出来る稀有な声優さんだと思っています。演技幅の広さ、演じるキャラクターの広さは目を見張ります。

でも、わたしはヴィヴィアンにするとは全く考えておりませんので、福田さんから意見を聞いたときはけっこうびっくりしました。

でも、アフレコ時、マイク前に立つ桑島さん演じるヴィヴィアンの声が、我々ブースのスピーカーから聞こえたとき「ごめんなさい!」と謝るしかないと思うばかりでした。

さすが「ガンダムSEED」シリーズで様々なキャラを演じている方だと思いました。

 

エルシャ役に小清水(亜美)さん。

2005年「舞-HiME」のニナを演ってから、ほぼ10年経った2014年のアフレコ。

見た目、お姉さんキャラのエルシャを担当したのですが、わたしのなかにはどうしてもニナの声が残っているので、アフレコ時ちょっとドキドキしていました。

でも、何事もなくエルシャとして演じていました。

そうか、「舞-HiME」から10年、小清水さん自身もお姉さんになったし、キャリアも踏まえて声も喉も強くなっているんだなって思った次第です。

先日、「江戸川乱歩朗読劇『幻調乱歩大系』幻調乱歩1幻燈の獏」と言う舞台で、小清水さんを見ました。声を聴きました。「アンジュ」から約10年経ったいま、映画スター李香蘭の役、昔の女優さんの役でしたが艶のあるお姉さんの声と演技でした。これもまた、キャリアが見せる技を感じましたね。

 

タスク役の宮野(真守)さんは、わたしのなかではミュージカル(舞台)の人でもありました。ですので選ばれたとき、ちょっとびっくりしました。

ちなみに、キングのプロデューサーさんが強く押してくださり、決まった経緯もありますが、わたしは宮野さんと仕事をしたいと思っていたのでウエルカムでした。

でも何だか最初の頃、演技に苦戦しているように見えましたね。

オリジナルアニメのキャラクターである、原作などありませんので、キャラクターの説明は少ないのです。さらに、タスクはより分かりにくいキャラクターだったかも、と思い出します。

 

エンブリヲ、最大の敵役として、関(俊彦)さんです。

わたしにとっては、「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」のブリード加賀です。「舞-HiME」の黎斗さん、これも最大の敵ですので、関さんに演ってもらうと安心、安全なのです。

本作、味方側はそれなりの人数です。

その人数さえも物ともせずに飲み込んでしまうような強さを感じさせてくれる声、演技。

敵として、ベテランの持つ円熟した演技は見ものです。

関さんの味方側の格好いい声も素敵ですが、悪いキャラクターも良いですね。

また、どこかで一緒に仕事したいと願うわたし、です。

 

ロザリー役の石原(夏織)さん。新人さんでした。

クリス役の小倉(唯)さん。新人さんでした。

おふたりとも、とにかく一所懸命にキャラクターに立ち向かっていた記憶が思い出します。

また、ふたりが仲良しだと言うのが演技にも出ていたと思います。

実は、女性声優さんが、バトル物、それも、ロボットアニメに出演することは少ないです。ですから、必殺技を叫ぶとか、悲鳴とかを何度も何度もやらせるアフレコになるので、喉をつぶしてしまうこともあります。

石原さん、小倉さんは喉をつぶすことはなかったと思いますが、でも、初めてのロボットバトル物で苦労している感じでした。

 

あと、わたしとしては、宝塚OGの森(なな子)さんがナーガ役他数名、準レギュラーで出演していたことにびっくりでした。

森さんが自己紹介で、宝塚雪組出身であることを知り、わたしは現役当時の舞台を観ているなど、お話をしたことを思い出します。

男役だったので背丈も高く、色々目立つなって思いましたね。だからなのか、ナーガはスラッとした背の高いキャラでした。

 

1話に林原(めぐみ)さん、ラストの方で三石(琴乃)さんが出演しました。

福田さん、わたしにとってのふたりは、サンライズ作品「ワタル」「サイバー」などで良く見る方々でした。

林原さんの娘として、水樹さんと言う役割配置はちょっとだけ意味深だなって……

キングレコード、歌姫として名を馳せるふたりなのでこれは面白い配役だと思いました。

 

声という命を与える声優さん。

物語を補強する意味もある声優さんたち。

 

良く見ると、当時のキングレコードで歌っている声優さんが多いかも知れません。

でも、これはキングレコードがスポンサーでもあるので、良い意味での忖度が働いていると考えます。

昨今、忖度について、世の中ではネガティブな考えが多い気がしています。

わたしは、忖度はポジティブに捉えています。

辞書を紐解くと「忖度」の意味は「相手の気持ちを考慮する」、「他人の心中をおしはかること」と書いています。

その通りだと考えているので、ネガティブなことはないのです。

 

だって、アニメの制作費をかなり出しているのがキングレコードなのです。

キングのプロデューサーに寄り添いますよ、わたしは。

 

さらに監督、プロデューサー、クリエイティブプロデューサーたちにも忖度したいですし、ただしそれだけでなくきちんと実験的なこともやりたいし、冒険もしたいのです。

 

お互いの距離感も踏まえて、良い関係で物作りが出来ることは素晴らしいことだと思うのです。

 

ちなみに、監督、プロデューサー、クリエイティブプロデューサー、そしてわたしもですが、過去の経験値で、素晴らしい声優さんを知っているのでそれは遺憾なく発揮して選んでも良いと思うのです。

 

 

 

 

◆下記、「告知」となります。わたしが昔関わったタイトルのイベントです!

 

【祝20周年!あの日の感動をみなさんと一緒に!】

 

「舞-HiME TV放送20周年を記念して『フィルムコンサート』の開催が決定しました!

 

<公演概要>

 

【タイトル】TVアニメ『舞-HiME&『舞-HiME20周年記念 フィルムコンサート

【日時】2025920日(土)

昼の部|12:00開場/13:00開演

夜の部|16:30開場/17:30開演

 

【場所】松戸・森のホール21 大ホール

【チケット】全席指定 10,800円(税込)入場者プレゼント付き

 

【出演】

<演奏>

梶浦由記(Piano

Vocal:戸丸華江, KAORI, YURIKO KAIDA, Joelle

MUSICIANFRONT BAND MEMBERS

是永巧一 (Guitar), 佐藤強一 (Drums), 髙橋“Jr.”知治 (Bass), 今野 均 (Violin), 奥泉貴圭 (Cello,赤木りえ (Flute), 中島オバヲ (Percussion), 大平佳男 (Manipulator)

 

<アーティスト>

栗林みな実,美郷あき ほか

 

【関連リンク】

■『 TVアニメ『舞-HiME』&『舞-HiME20周年記念 フィルムコンサート』公演特設ページ 

https://lantis.jp/special/maihime_filmconcert/

 

 

企画 バンダイナムコフィルムワークス/バンダイナムコミュージックライブ

制作 バンダイナムコミュージックライブ/ハートカンパニー

協力 おっどあいくりえいてぃぶ/HIGHWAY STAR

 

 

 

🔻ふるさとP写真録:今週の一枚 

 

追伸:

YOUTUBE「ふるさとPアニメ道」もスタートしましたので、ぜひぜひチャンネル登録の上、ご覧くださいませ。

🔻リンクはこちら

HTTPS://WWW.YOUTUBE.COM/CHANNEL/UC_JRVVLJSFUHGMXPCVYUQ5A

 

 

古里尚丈(ふるさとなおたけ)

196153日生まれ。青森県出身。

1982年日本アニメーションに制作進行として入社。1985年スタジオ・ジブリ『天空の城ラピュタ』制作進行。1987年サンライズ入社『ミスター味っ子』『勇者シリーズ』等、制作進行・設定制作・制作デスク・APを務め『新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA』からプロデューサー就任。『星方武俠アウトロースター』『GEAR戦士電童』『出撃!マシンロボレスキュー』『舞-HiME』『舞-HiME』他、オリジナルアニメーションを14作企画制作。

20112月企画会社、株式会社おっどあいくりえいてぃぶを設立。『ファイ・ブレイン~神のパズル』や『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で企画・プロデューサー。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』企画協力、『グレンダイザーU』制作統括として参加。現在、ゲーム等参加、新企画を準備中。

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