記事: 第73回:『舞-乙HiME、舞-HiMEシリーズオリジナル小説第4弾・第5弾を出しました』
第73回:『舞-乙HiME、舞-HiMEシリーズオリジナル小説第4弾・第5弾を出しました』
当時2006年、わたしはテレビアニメ「アイドルマスターゼノグラシア」、OVA「舞-乙HiME Zwei」「舞-乙HiME 0〜S.ifr〜」を企画、制作しておりました。
アニメシリーズを増やしたくとも、スタジオの状況的に対応不可能です。
そこで、奥の手発動!!
第1弾「舞-HiME」の小説化、第2弾「舞-乙HiME」から外伝など小説化。
続けて「舞-HiME」シリーズ第3弾としてのオリジナル小説展開なのです。
タイトル「舞-HiME★DESTINY 龍の巫女」ホビージャパン社刊行『キャラの!』で連載した小説です。
北海道にある実家に戻った小説家の伊吹(秀明)さんに連絡して、企画の説明をしました。
主人公真夜(まよ)の中に3匹の龍が眠っており、それぞれが目覚めると色んな性格が出てくる、そんなキャラクターなんだけど、あと巨乳キャラです!と決め台詞を言いつつ、ぜひ小説を書いて欲しいとお願いしました。
あと、手錠をしたまま学園に転向してくるみたいなネタもあるんだけど……と、話したら、「古里さん、元ネタはあれだね」とバレてしまいました。皆さまは分かりますか?
伊吹さんは、わたしが企画制作「星方天使エンジェルリンクス」の原作にあたる小説を書いてくださった作家さんで年齢も同じなのです。
SFと架空戦記ものが得意な作家さんです。
実は、「舞-HiME」「舞-乙HiME」を作っていた時にすでに企画書を見せていたのです。
その頃、伊吹さんはまだ東京にいました。
そして、色々説明していたので、アニメも見てくれていたのです。
だからこそ、「舞-HiME」のキャラクターを使ったオリジナルの物語を企画したときにお願いしたいと考えたのが伊吹さんでした。
新キャラ、神楽真夜と天王寺しおんのふたりのデザインを久行宏和氏に描いてもらって、展開しました。
さらに、このキャラクターたちは、「舞-乙HiME 0〜S.ifr〜」にも出演しました。
これぞ、キャラクタースターシステムです。
そして、小説だけでなく、なんとランティスからCDドラマもたくさん発売したのです。
色々な意味で、なんという暴挙。
小説の裏側に、「北海道の人里離れた奥地にある学園。ここは魔人の集う場所----星之宮風華学園。そして風華に歩みを進める一人の美少女。ツインテール。巨乳。手錠----、てっ手錠!? この転校生の名は神楽真夜(かぐらまよ)。かくして小説により新たな「舞-HiME」シリーズの物語が幕を開ける!」
と、言うあらすじが残っています。
かなり、攻めた設定だと思うのです。
龍の巫女として、身体に3匹の龍を宿している主人公、その、運命やいかに!です。
龍の持つエネルギーが全て開放したら、真夜の身体はどうなるのか?さらに、龍に心(精神)を乗っ取られたりしないのか?などの謎があります。
ちなみに、北海道が舞台になっているのは小説家の伊吹さんが北海道在住だから、です。
静留は日本刀で戦います。それぞれのキャラクターたちがそれぞれの能力を持っています。
手錠した真夜も特殊な念動力を持っていたりします。
設定として、手錠をしていないと龍がざわめくんですよ!
しおんは、サイコメトリを持っています。
ちなみに、主人公の「真夜(まよ)」の名前に反応するのは、なつきです。
マヨネーズ大好きななつきさんですので。
さらに、小説の挿絵イラストは目黒(三吉)さん。
久行さんの描く絵が大好きと言って下さっていました。
漫画連載も目黒さんに描いていただきました。また目黒さんがweb上で描く「舞-HiME」「舞-乙HiME」の4コマ漫画はピリッした突っ込みに面白さがあって好きでした。
CDドラマとして「舞-HiME★DESTINY 龍の巫女 序章・神楽真夜、北へ」をOVA「舞-乙HiME~Zwei」の第4巻に特典として付けました。
それが序章になります。
さらに、ランティスよりCDドラマとして、「舞-HiME★DESTINY 龍の巫女 嵐の転校生/運命の扉」、「舞-HiME★DESTINY 龍の巫女 過去と未来の絆」計2枚発売しました。
CDドラマの音響監督が宮村(優子)さんでした。
アリッサをやっていますから、「舞-HiME」ワールドを知っています。
小説のみのオリジナルであっても、静留たちキャラクターのことを知っているので説明もかなり省けるし、「古里さんこれで良いですよね」と言って進めて下さるのも楽しかったです。
オリジナルの新キャラの神楽真夜役を茅原(実里)さん、天王寺しおん役に喜多村(英梨)さんに演じてもらいました。
「舞-乙HiME 0〜S.ifr〜」のマヨも同じく茅原さん、シオンは喜多村さんに担当してもらいました。
そして、なんと味をしめたわたしが調子に乗って、小説だけの「舞-HiME」シリーズ第4弾を企画しました。
タイトルを「舞-HiME狂走曲 猫姫@日記」。
読み方は、「まいひめ ラプソディ ねこひめブログ」です。
主人公は、葛ノ葉舞央(くずのはまお)と言います。
キャラクターデザインは久行さんに描いてもらいました。
物語は、運の悪い主人公舞央ちゃんが彩之宮風華学園に入学するところから始まります。
今作の舞台は埼玉県になりました。
「登校初日に人語を解する不思議な猫・命と出会う。だがいきなり猫の命にファーストキスを奪われるわ、自慢の長髪を切られるわで、舞央は散々な目に。
さらに謎の神様・舞衣姫に頼まれ、猫耳剣士に変身して戦うことになり――。」
と、あらすじがあります。
学園では、「舞-HiME」&「舞-乙HiME」のキャラクターたちが何らかの執着を持って登場し主人公舞央と関わっていくのです。
小説は涼風(涼)さんが書きました。
涼風さんには、「アイドルマスターXENOGLOSSIA」の小説も書いてもらいました。
挿絵イラストをぬくぬくさんに担当してもらいました。
ぬくぬくさんには「舞-乙HiME」のムック本で漫画も描いてもらってます。
味わいのあるほんわかとした絵が特徴、小説の単行本の表紙も描いてもらいました。
残念、CDドラマは作れませんでした。
舞央の声ってどんなだろう?
声優さんは誰になるのかな?って思うのです。久行さんが描いたキャラクターデザイン、そして、ぬくぬくさんが描いたイラストを見ると、ハスキーボイスが良いような気がしてなりません。
舞衣姫として中原(麻衣)さんがとなりにいるので、中原さんとは違う声が必要です。あと猫の命がしゃべりますので、清水愛さんの声ともぶつからない声質をさがすことになります。
もしかすると、少し少年ぽい声なのかも知れませんね。
など書いてみましたが、「タラレバ」の極みですね。
小説だけの展開の2作のことを思い出すことで、これらのアニメを作りたかったし、見たかったなって思いました。
さらに、小説だけとかコミックだけとか、他のメディアも踏まえて「舞-HiME」シリーズとして新しい物語を作ってお客さんに読んでもらいたかったなって思います。
20年経ったいま、改めて「舞-HiME」シリーズ第5弾として、新しい主人公キャラクターと舞衣やアリカたちが出てきての物語、新設定でバトル?など書いてみたいですね。

古里尚丈(ふるさとなおたけ)
1961年5月3日生まれ。青森県出身。1982年日本アニメーションに制作進行として入社。1985年スタジオ・ジブリ『天空の城ラピュタ』制作進行。1987年サンライズ入社『ミスター味っ子』『勇者シリーズ』等、制作進行・設定制作・制作デスク・APを務め『新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA』からプロデューサー就任。『星方武俠アウトロースター』『GEAR戦士電童』『出撃!マシンロボレスキュー』『舞-HiME』『舞-乙HiME』他、オリジナルアニメーションを14作企画制作。
2011年2月企画会社、株式会社おっどあいくりえいてぃぶを設立。『ファイ・ブレイン~神のパズル』や『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で企画・プロデューサー。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』企画協力、『グレンダイザーU』制作統括として参加。現在、ゲーム等参加、新企画を準備中。
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