記事: 第90回:『ファイ・ブレイン~企画&メインスタッフ探しの始まりだ!!』
第90回:『ファイ・ブレイン~企画&メインスタッフ探しの始まりだ!!』
今回は「ファイ・ブレイン~神のパズル」の第2回目のブログになります。
「ファイ・ブレイン~神のパズル」は、2011年10月から放送開始ですが、企画自体は2009年秋から始めました。
そして、2010年2月に「Eテレ」さんに絵の付いた企画書を持ち込みました。
コンペでした。
※さて、コンペとは?
「コンペティション(Competition)」の略で、本来は、競争や競技、競技会などをいいます。
現在、広告やプロモーション、デザイン、ウェブ制作、建築設計、都市設計、ITソリューション、物流ソリューションなど専門業者への仕事の発注の際に、複数の業者から提案を求めて、その中から最良のものを選択するという一連の業務を言うようです。
たくさん企画書が集まったと聞きました。
3月になって、数点に絞ったなかに残ったと知らせが来ました。
4月中盤、わたしの携帯電話にEテレのプロデューサーさんから電話がきました。
ちょうど、車移動中だったので、コンビニの駐車場に停めました。
そこで、最終的に持ち込んだ企画「(当時の名称)マスターブレイン」に決まったと言うことです。
ただ、幾つかのミッションが発令しました。
まず、オリジナルアニメのために、最終回までの2クールの構成(ラフプラン)メモを出して欲しいと言うことでした。
締切は、ゴールデンウイークに入るまでに欲しいとのこと。
実際1週間しかないのです。
早速、知り合いのライター氏2名に電話をしました。
「コレコレしかじかの物語で、オリジナルアニメなんだけど1週間のスケジュールで構成メモを書いて欲しい」と言う内容です。
可能ならすぐに打ち合わせを組みます、と。
ひとりのライター氏は、すぐに書くので今日◯時から打ち合わせが出来るので、と打ち合わせ場所など決まりました。
もうひとりのライター氏も、明日?なら打ち合わせ可能と言うことです。
資料を用意し、打ち合わせをやりました。
わたしが考えていた設定と物語とキャラクター案を踏まえて、色々話し合いディスカッションしました。ライター氏からも意見、アイデアが出ました。
とにかく、主人公はひょうひょうとした普段はやる気がない感じで、でも、パズルになると人が変わったようになって解いていく、ある種2面性のあるキャラにしたいと話しました。
また、子供の頃、パズルを解く英才教育を受けている天才にしたいと。
ライバルキャラのひとりは、途中話数で敵側に行って、主人公とガチバトルをしたいと話しました。これが、後のギャモンのキャラになっていきます。
当たり前ですが、主人公のとなりにいるとガチバトルが出来ないんですよ、だから、敵側に回ることになるんです。
ギャモンは、本当に良いキャラですよね。
あと、このときルークは金髪キャラと書いていたのですが、実際アニメではシルバーヘアになりましたね。また、幼い頃にカイトとルークは出会っていたとあります、この設定もテレビ本編で少しだけ残っています。
この構成ラフプランメモには、きちんとピタゴラス教団も出てきます。
さすがに26本全話数分を書くには時間が足りないので、何話から何話までとかブロックでまとめるなどはやりました。
ともかく、高野さんとともに、おふたりからの構成ラフプランメモを読んで、ずるいのですが、冒険活劇として面白くなりそうな予感のする方を選びました。
わたしの手元にあるラフプランメモをEテレさんに送りました。
そして、数日後アニメ化への「GOサイン」が出ました。
さらに、わたしの携帯にプロデューサーさんから電話がきました。
次は、「メインスタッフ」名を提出して欲しいとのことでした。
ゴールデンウイーク後に候補を送ることになりました。
わたしは、クリエイターたちのスケジュールややる気があるとかないとか関係なしに、「(当時のタイトル名)マスターブレイン」に向いている監督候補、シリーズ構成候補をメモに書き出しました。
実は、この段階でわたしの頭に引っかかる監督さんがいたのです。
当時、サンライズの内田社長に監督候補について相談に行きました。
「ケロロ軍曹の佐藤順一さんに声をかけてみたいのです」と。
そして、いくつかの理由を話しました。
内田社長は、「なるほど、それは良いね」と言ってくださいました。
そして、シリーズ構成の候補として、悩んでいると話しましたら、ベテランのライター関島(真頼)さんが向いていると思うと答えてくれたのです。
わたしは、一緒に仕事をしたことがなかったのですが、関島さんを知っている数名の関係者に聞いてみましたら、「古里くん、その企画に向いていると思うよ」と言うのです。
パズルを考えてそのパズルを解く、いままでになかった新しい取り組みですし、それをオリジナルアニメとして表現、キャラクターと物語も丁寧に描くことは難しい仕事だと思うのです。
そんな難しい企画を取りまとめて行くのに向いているライターだと、誰もが言うのです。
まだ会っていないわたしのなかで、関島さんの色々な想像がふくらんでいくのです。
まずは、監督候補の佐藤(順一)さんにお声をかけました。
上井草駅前にある喫茶店「アオヤギ」で会いました。
企画書をお見せし、色々話しました。
そして、わたしが佐藤さんにお声をかけた理由を話しました。
実は、アニメ誌で、佐藤さんのインタビューを読んだことがあって、そこに「男の子が主役のオリジナルアニメをやってみたい」と書いてあったのです。
確かに、佐藤さんの担当してきたアニメは、女の子が主人公ものが多いのです。
と言うことで、この企画は、オリジナルアニメで、男の子がたくさん出てきます、と話したのです。
これが決め手になったとは思っておりませんが、ちょっと間があって、「やりましょう」と言ってくださいました。
あと、わたしがキャラクターワークス副事業部長として「ケロロ軍曹」にも絡むことがありました。
ちょうど「超劇場版ケロロ軍曹 誕生!究極ケロロ奇跡の時空島であります!!」(2010年2月公開)では、佐藤さんは総監督を担当して、各所とのやり取りを少しだけ見ることがあったのです。
そのときの対応力が高く、わたしは一度一緒に仕事をしてみたいと考えました。
ケロロの映画の上映から3ヶ月後に連絡をしているので、このタイミングで佐藤さんに会えたのは、わたしにとって本当にラッキーだと思うのです。
関島さんも、「アオヤギ」でお会いしたと思います。
企画書をお見せし、色々説明しました。
そして、素直に「シリーズ構成をやってくれませんか?一緒に仕事をしたいです」と言いました。
「ちなみに監督は、佐藤順一さんです」と伝えました。
わたしの記憶では、その場で「やりましょう」と返事をもらったと思うのです。
持ち帰って、後日返事をします、ではなかったと思います。
とても紳士な方でした。
実際打ち合わせが始まってからも、会ったときに思った紳士だなって思いは、最後まで続きました。
アニメのクリエイターたちは、正直子供っぽいと言うか、天衣無縫な人が多いので、どっしりしっかりしている関島さんは、わたしにとってとても頼りがいのあるお兄さんでした。
実際、少しお兄さんなので色々甘えさせてもらいました。
わたしがすべきこと、オリジナルアニメ作りのとても大切である重要なスタッフ、監督とシリーズ構成、キャラクターデザイナーが決まりました。
次回は、重要かつ大切なスタッフ、「パズル」を考えてくれるスタッフさんのことを書きます!
古里尚丈(ふるさとなおたけ)
1961年5月3日生まれ。青森県出身。
1982年日本アニメーションに制作進行として入社。1985年スタジオ・ジブリ『天空の城ラピュタ』制作進行。1987年サンライズ入社『ミスター味っ子』『勇者シリーズ』等、制作進行・設定制作・制作デスク・APを務め『新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA』からプロデューサー就任。『星方武俠アウトロースター』『GEAR戦士電童』『出撃!マシンロボレスキュー』『舞-HiME』『舞-乙HiME』他、オリジナルアニメーションを14作企画制作。
2011年2月企画会社、株式会社おっどあいくりえいてぃぶを設立。『ファイ・ブレイン~神のパズル』や『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で企画・プロデューサー。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』企画協力、『グレンダイザーU』アソシエイトプロデューサーとして参加。現在、漫画原作、新企画を準備中。



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