記事: ハイクオリティなファングッズを世界へ。グッズクリエイター「いいじゃん」手掛けるTEKKEN 8 × jbstyle.コラボTシャツがヨーロッパ初開催のEVO FRANCEに登場。
ハイクオリティなファングッズを世界へ。グッズクリエイター「いいじゃん」手掛けるTEKKEN 8 × jbstyle.コラボTシャツがヨーロッパ初開催のEVO FRANCEに登場。
ハイクオリティなファングッズを世界へ───────
グッズクリエイター「いいじゃん」手掛けるTEKKEN 8 × jbstyle.コラボTシャツがヨーロッパ初開催のEVO FRANCEに登場。
(本記事所用時間:5分程度)

(左: イラストレーター jbstyle.氏 右: 「いいじゃん」代表 鈴木)
TEKKEN 7より公式イラストを担当するイラストレーターjbstyle.氏。ストリートファッションを思わせる大胆な構図や色使い、細部までこだわり抜き描かれた線に魅力を感じ、グッズクリエイター「いいじゃん」がイラスト制作をオファー。このご縁で今回対談が叶いました。コラボに関する感想や、TEKKENにまつわるjbstyle氏の思い出のエピソードをお届けします。
ライター:まさかり仁

─この度グッズクリエイター「いいじゃん」が手掛けたjbstyle.先生とのTEKKEN 8コラボTシャツが、ヨーロッパ初開催のEVO FRANCEに出展することになりました。感想を伺えますでしょうか。
jbstyle.:めちゃめちゃ嬉しいです。
特に、今回展示しているシャツですが、当時作るにあたって麗奈を完全に描き下ろしたんです。
「デビル飛鳥」のリブートをイメージもしています。改めて現在の画力で、自分の思う最大限にかわいい麗奈を表現しました。俺自身も麗奈使いなので自然と力が入りましたね。
鈴木:ありがとうございます!
この麗奈のシャツ、すごく評判がいいんです。
jbstyle.先生のイラストをTシャツ上で表現するにあたり、イラスト原本の持つダイナミックなパワーと、技術上極めて繊細な線を全て活かし切ることをとても大切にしました。
今回はすべてシルクスクリーンプリントで製造することにしたのですが、先生の魅力的な線が潰れて絵の良さを殺してしまわないように気をつけて制作するように、工場と綿密にやりとりをして完成させました。
jbstyle.:そのお言葉で、私や購入してくれるファンに最大限気を使っていただけているのが分かりますね。
鈴木:ありがとうございます。
ファンが見たいもの、そして身につけたいものは何かと考えると、やはりキャラクターの魅力が余すことなく最大限に表現されていること。そして、その魅力はjbstyle.先生が描かれた原画が120%持っていることは間違いないと思うんです。
なので私たちはその魅力を、ひたすら技術と情熱をもってシャツというアパレルグッズに落とし込み、ファンの皆さんにお届けすることだけを考えました。
本来アジア向けに発売したものだったのですが、日本に持ち込んでも大好評で、それを見たアメリカやヨーロッパからの反響も予想以上だったんですよね。
きっと世界中のTEKKENファンが喜んでくれるグッズになったと、いまは胸を張って言えます。
それで、いつヨーロッパにも出そうかなと思っていたんですが、今回EVO FRANCEの開催に調整が間に合いまして、この記念すべき日に展示と、オンラインでも販売することになりました。
jbstyle.:アジア、日本を越えて、世界中に俺のイラストのTシャツが沢山のTEKKENファンに届くと嬉しいな。
鈴木: jbstyle.先生のイラストは、大番のビッグプリントのシャツにしております。
迫力を失わないし、カラーをポイント遣いのみに抑えることによって洗練されたデザインになったと自負しています。
イラストを大きくアピールして、おしゃれに着こなしてほしいですね。世界中のTEKKENファンにjbstyle.先生のコラボTシャツを届けたいなと、改めて思いました。

―TEKKENのグッズについて、jbstyle.先生から見た印象を教えてください。
jbstyle.:鉄拳TAG2まではキャラクターがプリントされたグッズが多い印象でした。
一般的にイメージされるゲームやアニメグッズの系統といった感じでしょうか。
7以降は、イラストレーターやグッズ制作会社に依頼してグッズを作成するようになったみたいで、非常にセンスの良いグッズがどんどん出てきた印象があります。
鈴木: 実際、7以降はjbstyle.先生のイラストを使ったTシャツをよく目にしました。
ただ、それらは一般販売がない大会参加者のプレゼントアイテムとしてだったとまさかり仁さんからお聞きしまして。
それと昨年の「TTEKKEN 8全キャラTシャツ」の第一弾をやってみて、とてもいい反響だったんです。それでわたしたち「いいじゃん」ならば、もっとかっこいいデザイン商品を作れる!と豪語して、今年もきちんとライセンスを受けて商品を作るようにしています。
jbstyle.:「いいじゃん」さんが、全キャラTシャツを出されたのにはいたく感動しました。
鈴木: 実際ファンの皆さんにもjbstyle.先生と同じように感じていただいたみたいで、出した瞬間もの凄くよい反応がありました。
イベントに着ていく人、額に入れて部屋に飾ったという方もいて本当に嬉しかったですね。全キャラTシャツを出したのにもちゃんと理由があって。
メインのキャラクターって絶対にグッズが何かしら出るじゃないですか。しかも、良いデザインのものは数キャラ分しか毎回出なかったりする。
私としては、TEKKENをプレイする人全員に、自分の相棒であるキャラクターのグッズ、それも全員が等しくハイクオリティに拘ってリリースされたものを絶対に届けたいと思っていました。
jbstyle.:すごくいい考えですね。
初出のキャラCGデザインのTシャツも良いけど、時間が経って、改めてデザイナーさんやイラストレーターが解釈したシャツの販売ってファンにとってはめちゃくちゃ嬉しいものですよね。
自分がそんなイラストを描けるのは本当に嬉しくて。さらに、力を入れて描いたものをいいじゃんさんが格好良くTシャツにデザインとして落とし込んでくれてますので、感無量です。
鈴木:そう言っていただけたら本当に光栄です。
今後も頑張って、素晴らしいイラストを活かしながらファンが心からほしい、誰かに見せたい!と思えるグッズを作っていきたいですね。背筋が伸びます。

―ちなみに、jbstyle.先生は今「TEKKEN 8」のイラストを手掛けられていますが、自分の完全オリジナルのイラストとこういった版権のあるイラストを描かれるのとでは、注意すべきことは違ったりするのでしょうか。詳しくお話を伺いたいです。
jbstyle.: もう全然違います。
キャラの衣装設定やデザインが決まっているので、イラストを作成するにあたって版元さんとの細かいやり取りがありまして。自分なりの色を出していくにはどうしようか?というのをいつも考えています。
本当に最初の頃は、めちゃくちゃ修正を食らっていました(笑)
鈴木:実際版元さんは作品やキャラクターの世界観を守らなければいけないですし、そのあたりの監修は当然ながら厳しいものです。
それだけ自社の作品を大切にされているということだと思いますが、グッズ制作にあたってもやっぱり神経を使う部分です。
そもそもjbstyle.先生が鉄拳の公式イラストを描くようになったきっかけは何だったんですか?
jbstyle.:「鉄拳プロジェクト」でゲームディレクター、開発プロデューサーのナカツ君という方がいまして、古くからの友人なんです。
このナカツ君がバンダイナムコの原田さん(註釈:バンダイナムコエンターテインメント)に「彼にイラストを描かせてみないか」って提案してくれたんですよ。
ただ、本当に何回も原田さんから「こいつにはまだ早い、まだ使えないね」ってつっぱねられて。そこから修行して何年もかかりました。
鈴木:そうだったんですね。
jbstyle.:そうやって苦労した先で、ようやく鉄拳TAG2で、私のアイデアを詰め込んだ「デビル飛鳥Tシャツ」をEVOの大会参加者用プレゼント用に描かせていただきました。
丁度、鉄拳7の発売前プロモーションが始まったころでしたので、非常に注目してもらったんです。
そこから、原田さん、ナカツ君と一緒にアメリカで行われているコミコンの発表会に連れて行ってもらったり。ものすごい人だかりの前で、クリスティをライブドローイングしたり。
そしてTAG2でようやく関連イラストを担当させていただくことになり、これがまさに俺が世界デビューをさせていただいた瞬間でもありました。色々と良い思い出です。
─冒頭でも出てきましたが、「デビル飛鳥」についても少し伺えますか。生まれたきっかけなどはありますか?
jbstyle.:あの時は、細かい指示が無くて。
「飛鳥をモチーフに描いてください」だけだったので、自分なりの鉄拳のイメージを盛り込みました。当時、悪魔とかを描くのが好きで。フルアクセルでデビルにしたんですよね。あの頃は自分もギラギラしていたし、無意味な線やオブジェクトが多かった。その熱量も忘れずにこれからも描いていきたいとは思っているんですけどね(笑)
鈴木:なるほど。
jbstyle.:そのシャツって今思えばアメリカフォーマットのシャツだったので、機会があったら質の良いシャツで再販されたら嬉しいね。
鈴木:ゲームナンバリング的には「鉄拳7」からゲームイラストを描かれたんですよね。
jbstyle.:そうなんです。
「鉄拳7」のイラストを描くのはすごく大変でした。当時思っていたのは、自由度がなさすぎるというか。少しのデフォルメもダメ出しされまくりでしたね。
正直手掛け始めた頃は「楽しくないかも」って思っちゃって。
ただ、描いていくうちに自由度や遊びを見つける方法やポイントが分かってきたんです。そこからは、意外にすんなりOKをもらえるようにはなってきましたね。でも今だにプレッシャ―はあります。
鈴木:聞いてみないとわからない色々な過程を経て、こうして私たちはjbstyle.の世界観とTEKKENの世界観が合わさって生まれたキャラクターを見ているんですね。
わたしもIPをお借りしたり、お仕事をいただくにあたってライセンサー様はもちろんですが、購入してくれるファンの皆さんに喜んでもらえるものを絶対に完成させなければ、というプレッシャーはいつも感じます。完全オリジナルではないものを扱うにあたっての特有のプレッシャーですよね。
jbstyle.: 本当にそうですよね。でも、IPイラストのお仕事って大変なことばかりじゃなくて、「IPだからこそ」の良いこともあります。
俺の場合、鉄拳や、その他の大きなメーカーさんのIPイラストが出来たおかげで、変な仕事が来なくなりました。
鈴木:変な仕事って(笑)
jbstyle.:「鉄拳」って老若男女が知ってますから。飲みに行ってても、隣のおじちゃんも鉄拳を知っている、なんてこともよくあります。
さらに、鉄拳ってグローバルで、ワールドワイドのIPだから。そういう素晴らしい作品に関わるっていうのは、その威光をお借りすることでもあるんだなと。おかげさまで良い仕事を今もさせていただいていて、本当に感謝してます。
─ 様々な過程と思い出を経て完成した「jbstyle.×いいじゃん」コラボTシャツ。
EVO FRANCEにてヨーロッパ初出展に加え、オンラインストアで日本向けにも販売します。実用性とアート性を兼ね備えた逸品、ぜひお手にとってみてください。

取材・文/まさかり仁
TEKKEN™8 & ©Bandai Namco Entertainment Inc.
    
  


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