記事: 第111回:『レヴュースタァライト、オリジナルアニメの制作に入っていきました』
第111回:『レヴュースタァライト、オリジナルアニメの制作に入っていきました』
「少女☆歌劇 レヴュースタァライト(以降、レヴュースタァライト)」のアニメの企画が動き出したのが2015年春からです。
そして、夏になり秋になる頃、シナリオライター樋口(達人)さんに声をかけたことでたくさんのアイデアメモを書いてもらいました。
たくさん書きました。
前回書いたように、まずは学園物です。
そして、昼の学園生活と夜の公演のアイデアなどありました。
夜の公演が変身バトル物になるイメージです。
どうして夜なのか?です。
学園生活とは別に、もうひとつやるべきことがある演劇少女たちの物語案でした。
当時のブシロード側のプロデューサーは、男性でした。
いくつかのヒントをもらって改稿していきました。
2016年になり、ブシロード側のプロデューサーが変わりました。
女性のプロデューサーになりました。
さらに、制作会社をどこにお願いするか?を考える時期がきました。
わたしと、ブシロード側のプロデューサーと相談し、わたしが「キネマシトラス」さんにお願いしたいと話しました。
それは、良いですね、と言うことで、「キネマシトラス」の小笠原(宗紀)社長に電話をしました。
色々説明し、快諾をもらいました。
実は、小笠原社長とは、当時でも数年前「キネマシトラス」が生まれてすぐの頃、PVの制作を一緒にやったことがあるのです。
そのPVは、ブシロードのカードゲームをモチーフにしたプロモーションアニメでした。
小笠原社長のアニメに対する真摯な態度がわたしにはとても響いたのです。
将来、一緒に仕事をしたいと思っていましたので、「キネマシトラス」の社名を出したのです。
小笠原社長と一緒に仕事ができるのが嬉しかった記憶があります。
次のステップとして、小笠原社長が監督として古川(知宏)さんを提案してくれました。
わたしは、小笠原社長が押すなら、それがベストだと考えました。
でも、実際動き出すと、その通りベストでした。
非常にアイデアマンだし、面白いネタを考えてくれる監督でした。
古川さんに会って、挨拶をしました。
そして、アイデアメモを読んでもらうと、どれも、ピンとこないと言われました。
それが2026年春前くらいだったと思います。
そこから、ライターの樋口さんが改めてネタ出しをすることとなります。
古川監督は、敵の存在がどうしても納得できないのです。
さらに、少女たちのバトルロワイヤルの方向にアイデアが動き出しました。
わたしは、すでに「舞-HiME」でバトルロワイヤル形式のドラマを経験しています。
ですから、メリットも分かっているし、デメリットも分かるのです。
一番のデメリットは、「舞-HiME」の続きのアニメが作れないのです。
だから、わたしは、キャラクタースターシステムと生み出して、続き物ではでない、「舞-乙HiME」を作ることにしたのです。
と言うことで、バトルロワイヤル形式を選んだ「レヴュースタァライト」も続きが作りにくい構造になりました。
テレビシリーズから映画はまだ作れるのですが、その後となると、なかなかに難しいのです。
そこに、キャラクターたちの成長も加わりますので、さらにドラマ作りが難しくなっていくのです。
つまり、華恋たちにバトルロワイヤル以上の新たなドラマをセットしないといけないわけで、それは本当にしんどいのです。
でも、古川監督がやりたいことを考えるのが、わたしや樋口さんの役割です。
オリジナルアニメは、監督の個性が出ます。
と言うか、出まくります。
特に、主人公は監督の分身になることが多いです。
でも、華恋が監督だったのか?と問われると、ハテナでもあります。
やはり一番近しいのはキリンかなって思います。
そして、キャラクターデザインは、齊藤(博之)さんです。
とても素敵なデザインを描くアニメーターです。
ラフデザインを見たときに、これは「良い」と思いました。
特に、バナナ的ヘアスタイルを描いた齊藤さんはすごいと驚きました。
「レヴュースタァライト」に重要なスタッフ、クリエイターは、作曲家です。
ミュージカル風ですから、特に音楽は大切なのです。
音楽に、藤澤慶昌さんと加藤達也さんが決まりました。
おふたりとも、「ラブライブ」を経験していました。
少女たちと歌は、経験済です。
「レヴュースタァライト」は一部ミュージカル的に魅せるシーンがあります。
BGMとしても素敵な曲を書くのですが、ミュージカル風味のセリフの延長の歌詞が曲に乗ってアピールするのですが、それもまたいい感じです。
劇中の歌詞を中村(彼方)さんが担当しました。
中村さんは、シナリオ打ち合わせに最初から参加して、ほぼ全ての打ち合わせに出たと思います。
物語を知り、その物語にたどり着くまでの監督たち作り手の思いを知り、さらに、細かい各キャラクターの個性、内面を知ることで、歌詞に深い意味が寄与するわけです。
このマッチングは、シナリオ打ち合わせに常に参加してくれたことがうまく機能したこともありますし、また、「レヴュースタァライト」のことが大好きだと言うのもヒシヒシと伝わりましたね。
実は、中村さんとは、KADOKAWAさんから発売したコミック「少女☆歌劇 レヴュースタァライト~オーバーチュア~」の脚本を書いてもらいました。
このコミックにはわたしの名前は載っていませんが、わたしが原案みたいものを書いているのです。
そして、中村さんとふたりで打ち合わせをしてプロットを作り、ライターの樋口さんにチェックをしてもらって、アニメ本編との誤差をなくすようにがんばりました。その理由は、アニメの時間軸の前のお話から始まるのです。そして、アニメでは描かなかったイベントのお話を描いたので、アニメスタッフの意見を入れるべきだからです。
このお仕事は、アニメのシナリオ打ち合わせが終わってから、場所を変えて、中村さんと90分くらいガッツリ打ち合わせしたのはとても良い思い出です。
新しいお話を生み出すのは本当に楽しいです。
キャラクターの個性など、裏設定などが見えて来ると、彼女たちは勝手に動来出すと思うのです。様々な作家さん、漫画家さんもインタビューなどで話すことが多いのですが、わたしも似たようなことを感じます。
魅力的なキャラクターたちは常に勝手に動き出す、と言うか動き出して欲しいな思います。
1961年5月3日生まれ。青森県出身。
1982年日本アニメーションに制作進行として入社。1985年スタジオ・ジブリ『天空の城ラピュタ』制作進行。1987年サンライズ入社『ミスター味っ子』『勇者シリーズ』等、制作進行・設定制作・制作デスク・APを務め『新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA』からプロデューサー就任。『星方武俠アウトロースター』『GEAR戦士電童』『出撃!マシンロボレスキュー』『舞-HiME』『舞-乙HiME』他、オリジナルアニメーションを14作企画制作。
2011年2月企画会社、株式会社おっどあいくりえいてぃぶを設立。『ファイ・ブレイン~神のパズル』や『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で企画・プロデューサー。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』企画協力。2024年5月から『ふるさとPアニメ道』ブログ&YouTube動画配信中。2026年3月末からコミックノーラにて「貴姫さまの憂鬱~あやかし探偵事件簿」連載中。



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