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記事: 第52回:『クロスアンジュ、制作スタッフ、クリエイターたちのこと思い出します』

第52回:『クロスアンジュ、制作スタッフ、クリエイターたちのこと思い出します』

制作が進み色々決めて行くなかで、「クロスアンジュ~天使と竜の輪舞」のスタッフやクリエイターが決まり、たくさんの方々が参加してくれました。

 

わたしは、オープニングテロップでは「企画プロデューサー」となっています。

制作現場において、「舞-HiME」の頃のような立ち位置のプロデューサーではないので、現場のプロデューサーがきちんと立っています。

「ファイ・ブレイン~神のパズル」も同様でした。

「クロスアンジュ~天使と竜の輪舞」では、土屋(康昌)プロデューサーが参加してくれました。

ですから、土屋プロデューサーとのリンクがとても重要かつ大切になります。

わたしの考え、そして、土屋プロデューサーのやりたいことを都度調整して進めました。

 

 

まず最初に書きたいクリエイターは、監督に芦野(芳晴)さん。

芦野監督は、現場を支えてくれている土屋(康昌)プロデューサーが一緒にやってみたいと言うことで声をかけました。

芦野監督は、アニメーター出身の演出家です。

なんと、小さいネタですが、わたしと芦野監督に共通部分がありました。

芦野監督が昔いたスタジオ4℃の社長は、わたしが昔日本アニメーションにいたときの上司なのです。

と言うことで色々話ははずみました。

 

そして、「魔法少女体アルス」の監督でもあります。

わたしの芦野監督の印象は?

とにかく真面目。

その真面目さが、フィルムに出ているのがめちゃくちゃ印象として残っています。

話が逸れますが、オリジナルアニメの監督って、自身が作っているフィルム(映像)に本人が乗り移っている感じさえします。主人公が、監督だってことは都度あります。

監督の考え方が、主人公になることが多いのです。

 

でも、アンジュは、ライターの樋口くんの考えがしっかり反映されているし、また、クリエイティブプロデューサーの福田さんの思考も強く反映していました。

ですので、芦野監督の持つ真面目さが樋口、福田両氏の思考を踏まえて、自分のキャラとしてフィルムにしていたように見えましたが、多分、色々な意味で無茶ぶりなアンジュだったので大変だったんだろうなって今更ながらに思い出します。

いやはやお世話になりました。

 

さて、耳慣れない単語、いや造語の「クリエイティブプロデューサー」名&役職の福田(己津央)さん。

福田さんは、「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」シリーズの監督であり、「GEAR戦士電童」の監督でもあります。では、なぜクリエイティブプロデューサーなのか?

この役職は、わたしが「舞-HiME」をやったときに遡ります。

新人の小原監督だったので、ベテランの演出家をとなりにサポートとして参加してもらったのです。

 

「クロスアンジュ」では、監督は新人ではなかったのですが、ロボットバトルなどの絵コンテを福田さんに描いてもらいたく参加をお願いしました。

また、監督はいますし、さらに総監督の立場でもないので、別名称にさせてもらいました。

 

シリーズ構成は、樋口(達人)さん、企画の当初から参加してもらっていますので、「クロスアンジュ」について一番知っているライターです。

樋口くんとは、「激闘!クラッシュギアターボ」のときからの付き合いとなります。

また最近だと「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」も企画案からシリーズ構成と、いやはや、長い付き合いとなってきました。

SF、ロボットアクションから萌え系まで、オリジナルアニメを書ける多彩なライターです。

 

キャラクターコンセプトとして、松尾(祐輔)さん。「ヤマノススメ」のキャラクターデザイナーさんでもあります。メインキャラクターの原案を描いてくださいました。

萌え系の絵柄ではありましたが、個性的な絵を描いてくださりました。ヘアスタイルや佇まいなど、それぞれのキャラクターたちの個性を引き出してくれていました。

 

制作現場では、アニメーション用デザイン設定書として細かく描き、また補足のデザインを担当したのが小野(早香)さんでした。

小野さんにお願いしたいと提案したのは土屋プロデューサーでした。

実は、わたしにも小野さんの名前は耳に届いておりました。

特に、神戸市内で行われた展示イベント『KOBE de 清盛 2012』の「平清盛 歴史館」で流れる『平清盛イメージアニメーション~青海に生きる~』のPVで、キャラクターデザインとキービジュアルを担当しており、わたしはそのアニメを観ていたのです。そして、このアニメーターさんといつか一緒に仕事をしたいと思っていました。

とにかく、清盛のデザインが格好良いのです。

 

あと、メインスタッフに、おじさんが多いと認識していたので、中核のメインスタッフに女性を入れたいと考えて、音楽担当の作曲家に志方あきこさんを提案しました。

そして、アニメーション用キャラクターデザインとして、土屋プロデューサーの提案をすぐに受取りました。

よって、小野さんの参加はわたしのなかでは偶然という名の必然でした。

 

また、サブキャラを担当しているキャラクターデザイナーは、鈴木(竜也)さんです。

鈴木さんとは、勇者シリーズ時に、動画チェック、原画を担当してもらったアニメーターです。勇者シリーズ当時、新人だったのですが、めちゃくちゃロボットバトルなど上手でした。本当に、懐かしかったです。

長い年月を経て、一緒の仕事はとても嬉しかったです。

 

メカデザインと言うか、ロボットデザイン、いやパラメイルデザインの阿久津(潤一)さん。「GEAR戦士電童」「舞-HiME」等色々メカなど描いてもらっています。わたしの原稿に何度も登場していますね。と言うことで、今回は数行で……。

 

ドラゴンデザインは、ベテランの宮武(一貴)さん。わたしは、宮内さんが描くドラゴンに魅了されていました。アニメ本編には出なかった没になったデザインがあるのですが、そのデザインが一番好きでした。

マジに、アニメ本編に出したい「ドラゴン戦艦」でした。

 

アンジュたちの拘束着のような白黒のコスチュームデザインは、黒銀さん。

とても、スタイリッシュなデザインを描く方だと思います。

サラのコスチュームデザインがふんどし風なのは、黒線さんのアイデアだったと思いますが、巫女的コスチュームとふんどし?は、凄い組み合わせですよね。

 

美術設定、美術監督さんたちのことも書きたいのですが、土屋プロデューサーが決めており、また、わたしは挨拶程度で終わるみたいなことで、それぞれの個性あふれるデザインのことをカクカクシカジカと書けないのです。残念。

 

音響監督は、鶴岡(陽太)さん。

わたしとは、「アイドルマスターXENOGLOSSIA」から一緒に仕事をしています。

「宇宙をかける少女」「ファイ・ブレイン~神のパズル」とやりまして、4作目が「クロスアンジュ」でした。

 

わたしは自分が担当したタイトル数から見ると、一緒に仕事をした音響監督は少ないと感じます。

藤野(貞義)さん、三間(雅文)さん、中嶋(聡彦)さん、高寺(たかし)さん、長崎(行男)さんとたった5人しかおりません。ここには、何らかの法則があるような気がしますね。後々、色々考えて書いてみようと思います。

 

 

とても、重要かつキーマンだったキングレコードのゼネラルプロデューサー三嶋(章夫)さん。企画の最初は、大月(俊倫)さんから始まっていますが、途中で三嶋さんにバトンタッチされています。水樹さんのことを一番知っている方でもあったので、やはり、キーマンですね。

 

改めて、制作現場で一番偉いのは、土屋プロデューサー。

真面目な人だと言う印象が強いです。当時、「コードギアス」も持っていたので色々大変だったと思います。

キングレコードから現場で頑張っていた鈴木(廉太)プロデューサー。若手ではありましたが、宣伝なども踏まえて走っている印象があります。

わたしとしては、このふたりがいてくれて良かったと感じます。

 

わたしは、オープニングテロップでは、企画プロデューサーとなっています。

すでにサンライズを辞めていましたし、外部から参戦しているプロデューサーではあるので、「舞-HiME」の頃の立場とは随分変わっていました。

 

土屋プロデューサーをサポートしつつも、自分の企画なので色々声を出したくなるのですが、自分の立場と置かれた状況を鑑み、どのように振る舞えば良いのか?は常に頭にありました。

 

10年前のあの頃。

 

心に思い描いているのは、わたしが一番上に立っているプロデューサーではないと言うことです。

より良いアニメを作るための同志なのです。

 

そのバランスを踏まえて、「ファイ・ブレイン~神のパズル」の頃からずっと模索していました。

ただ「クロスアンジュ~天使と竜の輪舞」は、新しいスタッフと組んでいるので、「慣れ」でやれないのが逆に良かったなって思うことがあります。

いつになっても、日々勉強です。

 

 

 

 

◆下記、「告知」となります。わたしが昔関わったタイトルのイベントです!

 

 

【出演者が決定しました】

 

TVアニメ『舞-HiME&『舞-HiME20周年記念 フィルムコンサート」に、出演者が決定しました!

 

キャストの鴇羽 舞衣役/中原麻衣さん、アリカ・ユメミヤ役/菊地美香さん、ニナ・ウォン役/小清水亜美さんが登場します!!

 

是非、会いに来てください。

 

あと、スタッフに「古里さん、出ますよね」と言われて、わたし古里尚丈も登壇することになりました。どうしましょう、動揺が止まりません。

 

 

<公演概要>

 

【タイトル】TVアニメ『舞-HiME&『舞-HiME20周年記念 フィルムコンサート

【日時】2025920日(土)

昼の部|12:00開場/13:00開演

夜の部|16:30開場/17:30開演

 

【場所】松戸・森のホール21 大ホール

【チケット】全席指定 10,800円(税込)

 

【チケット販売情報】

<公式HP先行>

受付期間:412日(土)10:0056日(火・休)23:59

受付URLhttps://eplus.jp/my-zhime20th/

※枚数制限:おひとり様1公演につき4枚まで(複数公演お申込み可能)

 

 

【出演】

<演奏>

梶浦由記(Piano

Vocal:戸丸華江, KAORI, YURIKO KAIDA, Joelle

MUSICIANFRONT BAND MEMBERS

是永巧一 (Guitar), 佐藤強一 (Drums), 髙橋“Jr.”知治 (Bass), 今野 均 (Violin), 奥泉貴圭 (Cello,赤木りえ (Flute), 中島オバヲ (Percussion), 大平佳男 (Manipulator)

 

<アーティスト>栗林みな実,美郷あき

<キャスト>鴇羽 舞衣役/中原麻衣さん、アリカ・ユメミヤ役/菊地美香さん、ニナ・ウォン役/小清水亜美さん

<スタッフ>プロデューサー・古里尚丈さん

 

 

【関連リンク】

■『 TVアニメ『舞-HiME』&『舞-HiME20周年記念 フィルムコンサート』公演特設ページ 

https://lantis.jp/special/maihime_filmconcert/

 

 

企画 バンダイナムコフィルムワークス/バンダイナムコミュージックライブ

制作 バンダイナムコミュージックライブ/ハートカンパニー

協力 おっどあいくりえいてぃぶ/HIGHWAY STAR

 

 


🔻ふるさとP写真録:今週の一枚 

 

追伸:

YOUTUBE「ふるさとPアニメ道」もスタートしましたので、ぜひぜひチャンネル登録の上、ご覧くださいませ。

🔻リンクはこちら

HTTPS://WWW.YOUTUBE.COM/CHANNEL/UC_JRVVLJSFUHGMXPCVYUQ5A

 

 

 

古里尚丈(ふるさとなおたけ)

196153日生まれ。青森県出身。

1982年日本アニメーションに制作進行として入社。1985年スタジオ・ジブリ『天空の城ラピュタ』制作進行。1987年サンライズ入社『ミスター味っ子』『勇者シリーズ』等、制作進行・設定制作・制作デスク・APを務め『新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA』からプロデューサー就任。『星方武俠アウトロースター』『GEAR戦士電童』『出撃!マシンロボレスキュー』『舞-HiME』『舞-HiME』他、オリジナルアニメーションを14作企画制作。

20112月企画会社、株式会社おっどあいくりえいてぃぶを設立。『ファイ・ブレイン~神のパズル』や『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で企画・プロデューサー。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』企画協力、『グレンダイザーU』制作統括として参加。現在、ゲーム等参加、新企画を準備中。

 

 

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