第78回:『サイバーフォーミュラSIN、大人っぽい商品の企画を考えました!』
1997年頃、静岡に本社がある青島文化教材社(以降、アオシマ)から、商品化の企画がきました。内容は、テクニ四駆の商品としてサイバーマシンを使いたいと言うのです。
今回、この原稿を書くためにググったら、2019年に再販していることを知ったのです。
これは驚きました。
さてテクニ四駆とは何か?です。
タミヤさんのミニ四駆と言う商品は皆さんも知っていると思います。
モーター、電池を使う四輪駆動の小型の自動車型模型で、専用レーンを走らせてレースをして遊ぶ玩具です。
ミニ四駆と同様でサイズなどほぼ同じ模型で、アオシマさんが発売しているシリーズの名称が「テクニ四駆」なのです。
1997年にアスラーダGSX、イシュザーク、1998年にスーパーアスラーダ、スゴウガーランドと、数種類の発売になったと記憶しています。
見た目はアニメの設定と違ってずんぐりむっくりではありますが、でも、リアルで手でさわれて、走らせて遊べるのは嬉しいものです。
絵に描いた2Dマシンたちがリアルな立体物として商品化になるのは、本当に嬉しいのです。
設定画(絵)は、さわれないし、リアリティはないですからね。
わたしは、勇者シリーズでも大河原(邦男)さんが描いたロボットの設定画から、玩具として変形合体する商品が手元に届いたときは、マジに嬉しかった記憶があります。
アオシマさんから、テクニ四駆の他にもプラモデル化の商品提案もきました。
メカ作監の重田(智)さんに箱絵を描いてもらった記憶があります。
そして、1998年に24分の一スケールνアスラーダAKF-0。
1999年は同スケールアオイオーガが発売しています。
当時、マシン設定にかなり準じたプラモデルはなかったと思います。また、モデルを作る途中に、メカ作監の重田(智)さんにチェックをしてもらった記憶があります。
アオシマの担当さんとも打ち合わせするために静岡に行きましたし、スタジオにも打ち合わせに来てくれました。熱意もあり、第2弾第3弾とマシンのまとめ方が上手になって行きました。やはり、情熱と経験は大切だと感じました。
他に、サイズの小さめのガレージキットの商品の展開が動き始めていた時期だったかなと思い出します。ただし、わたしは、「テレビシリーズ、11、ZERO」のとき、どんな商品が発売していたのか?知らないのです。
また、このアオシマのプラモデルもいま再販&シリーズ化としてたくさんのマシンが発売しているようです。これも、最近知ってびっくりしているのです。
ふと思うのですが、あの時の担当氏は、いまアオシマにいるのか?どんなポジションになっているのかが気になりますし、お会いしたいものです。
さらに、アオシマは、ラジコンも発売しています。
最近は、バンダイグループであるメガハウス(2014年)から「サイバーフォーミュラコレクション」と言うミニカーシリーズの発売が始まっています。
これは、素直に格好良いですね。
ちなみに、株式会社いいじゃんの鈴木社長と出会ったのは、「新世紀GPXサイバーフォーミュラ World Tour Exhibition名古屋GP」2023年3月11日(土)~19日(日)に名古屋JRゲートタワーで行ったイベントです。
この会場にはメガハウスから、2021年に発売した、ヴァリアブルアクション「νアスラーダAKF-0/G -Livery Edition-」を参考にした一分の一スケールのマシンを飾っていました。
そうなのです、このでっかいνアスラーダは、メガハウスのコレクションをベースにして設定に合わせて大きくした物だったのです。
しかし、コクピットが小さく人間が乗れないサイズなので、リアルに考えると調整の余地ありでした。
でも、わたしにとっては、このでっかいνアスラーダは、鈴木社長との出会いのマシンでもあるので「メガハウスさんありがとうございます」なのです。
「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」のテレビシリーズが1991年に始まり、以降OVAシリーズが、2000年3月発売まで続きましたが、それ以降アニメは作られておりません。
それなのに、プラモデル展開、テクニ四駆の再販、メガハウスからのミニカーシリーズと25年ほど続いているのです。これからもまだ続くと思います。
関係者のひとりとして、この状況に驚きしかないです。
例えば、「ガンダム」は常に映画、OVA、テレビシリーズと何らかのかたちでアニメ化しています。
「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」の新作アニメはないですから、ファンであっても忘れてしまうと思うのです。でも、商品やゲームの販売が続いているのはすごいと思うのです。
次にゲームに関して思い出すことがあります。
「PS新世紀GPXサイバーフォーミュラ 新たなる挑戦者」(PlayStation、バップ、1999年3月18日発売)のことです。
リアルレースゲームを作るのかしら?と思ったのですが、当時の技術面、予算面、スケジュールを鑑みるとまだまだ乗り越えるべき壁は高かったのです。
わたしの記憶のなかでバップさんがセッティングしたゲーム制作を行う会社、スタッフたちのことが思いだされます。
特に、リーダー格であるゲームプロデューサーは非常に個性的な人でした。
「古里さんゲームのこと知りませんよね!」「興味があるなら教えましょう。ゲームとは……」と続いて、たくさんの話をしてくれます。
さらに、「良いゲームを作るにはこうするんですよ」と、色々教えてくれました。
わたしは、このときにゲームとアニメの違い、その差異を強く感じたし、その違いを勉強させてもらいました。
だから、こそ、以降のアニメのゲーム化が動くときは、ゲームスタッフにほぼお任せしてしまうことにしたのです。
わたしは、「餅は餅屋」のことわざを信じています。
ゲーム屋さんは、やはりゲームに通じて一番知っているし、得意だと思うのです。
さらに、ゲームが好きな人でわたしの作品を好きでいてくれる人、勉強している人にお任せする方が良いと思うのです。
そして、この時代でより強く思い出すのは、スタッフのなかに30代でスキンヘッドでイケオジの方がいたのです。
頭を見るわたし。「どうして綺麗にツルッとした頭なんですか?」と問うと、「親父が禿げなんだ、だから、俺は剃っているんだ」と。さらに、「古里さん、スキンヘッドと言うと格好良く見えるから、俺はオシャレのためスキンヘッドなんだよ!」と言うのです。
確かに!
不思議なもので、スキンヘッドと言うと、オシャレに見えて来るのはマジックです。
話が逸れました。戻しますね。
「新たなる挑戦者」は、紆余曲折あって、選択型のアドベンチャーゲームとなりました。
プレイヤーはオリジナルキャラクターの新人ドライバー司馬誠一郎となり、ヒロインとしてレナが登場します。このレナは「サイバーSIN」本編のレース会場にちらちらっと出ています。
そして、このヒロインキャラクターこそが、後の「舞-乙HiME」のレナ・セイヤーズになるのです。ちょっと面白いなと思うのが、レナ役の声優さんが、サイバーのゲームは川澄綾子さん、「舞-乙HiME」の本編では櫻井智さん、「舞-乙HiME~0.sifl」のOVAでは遠藤綾さんがそれぞれ担当しています。共通しているのは、どの方もお姫様役が似合うと思わせるところかなと思います。
また、バップさんは、「サイバーSIN」のDVD化し、発売をするときに、第5巻を収録するVOL. 3(2001年2月発売)に特典映像として新作エンディングを付けることになりました。その新作部分にも、レナや新人レーサーが出演しています。
当時観たファンの皆さんは、誰これ?になったのではないでしょうか?
この新作映像は、バップさんが2002年に発売するゲーム「PS~新たなる挑戦者~collector's edition~」のための宣伝の一貫だった気もします。
リアルタイムレースゲームはこの数年後2003年頃「Road To INFINITY」シリーズでやっとお披露目できました。
でも、そのゲームを作った会社「株式会社サンライズインタラクティブ」は後に解散し、スタッフはサンライズに吸収され消滅しました。
いまも、サイバーのゲームプロデューサーを務めてくれたスタッフと会って、色々会話することがあります。本人は、いつかサイバーのレースゲームが作りたいと言いますね。
さらに、現在、「PROJECT YNP」が制作しているレースゲームを発売しています。
「新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN VIER」3Dレーシングゲームが体験出来るようです。
制作者本人とはサンライズ時代に会っていますね。
「サイバーSAGA」の納品が終わり、その後に「サイバーSIN」を作ることが決まったとき、また、物語がブリード・加賀を中心にした大人っぽいものになると分かったとき、わたしは商品化やムック本などなるべく大人っぽく見えるデザインや色合いの商品化を意識しました。グッズも大人が持っても良いものを考えるようにしました。
「サイバーシリーズ」の特色、ハヤトたち主人公たちの年齢が上がって行く作品ですので、普通に考えてユーザーのターゲットも上がるはずだと考えました。
そして、「サイバーSAGA」では、VHSとLDの男女の販売比率も前のシリーズから変化して、男性のお客さまが増えていたのです。
だから、この流れを考えると「サイバーSIN」は、より男性のお客さまに向けた商品を増やした方が良いのではないか?とも考えたのです。
実は、このサイトの株式会社いいじゃん鈴木社長が企画した商品たちを見て、そうコレコレと思いました。
今年5月に秋葉原で開催したポップアップストアで見た「新世紀GPXサイバーフォーミュラZERO&SIN」からの商品化、キャップやシャツ、トートバック、タオルなど本当にサイバーフォーミュラワールドにあるレース会場で売っているグッズのような感じで良いなあと思いました。
鈴木社長のこだわりが光っている商品群だと思います。
また福田監督が、商品をたくさん買っている姿が印象的でした。
古里尚丈(ふるさとなおたけ)
1961年5月3日生まれ。青森県出身。1982年日本アニメーションに制作進行として入社。1985年スタジオ・ジブリ『天空の城ラピュタ』制作進行。1987年サンライズ入社『ミスター味っ子』『勇者シリーズ』等、制作進行・設定制作・制作デスク・APを務め『新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA』からプロデューサー就任。『星方武俠アウトロースター』『GEAR戦士電童』『出撃!マシンロボレスキュー』『舞-HiME』『舞-乙HiME』他、オリジナルアニメーションを14作企画制作。
2011年2月企画会社、株式会社おっどあいくりえいてぃぶを設立。『ファイ・ブレイン~神のパズル』や『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で企画・プロデューサー。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』企画協力、『グレンダイザーU』制作統括として参加。現在、ゲーム等参加、新企画を準備中。





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