第80回:『サイバーフォーミュラSIN、タイトルの「SIN」はどう言う意味?』
「新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA」のときも、どうやって「SAGA」のタイトルを考えて決めたのか?を書きました。
今回も「SIN」のタイトルがどう考えて決まったのか?を書きたいと思います。
改めて、「SAGA」のことを説明します。
「サーガ」=「壮大なドラマ、長編の叙事詩、英雄譚・冒険譚」の意味合いがあります。
確かに、テレビシリーズからOVAシリーズの3作目ですので、壮大なドラマでもあります。
そして、「SAGA」=「性(さが)」でもあります。
この意味は、「生まれつきの性質、持って生まれて運命、欠点と短所」とあります。
このふたつの意味合いが合体したのが「新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA」です。
つまり、ハヤトたち、プロドライバーの「性(さが)」とは、なにか?
答えは、「そこに車(マシン)があり競うべきレースがあるから走る」でしょうか?
「新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA」は、ハヤトたちドライバーたちの「性(さが)」をさらけ出す物語でもありました。
結局、人は誰でも「性(さが)」を持っていますので、誰にも物語を作ることが出来ると思います。では、わたしことふるさとPの「性(さが)」は何でしょう?
答えは、「オリジナルアニメを作る」でしょうか???
改めて、「サイバーSAGA」の次が「新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN」です。
では、今回の副題にもある「SIN」の意味は?
答えは、「罪」です。
「性(さが)」をさらけ出した物語が終わり、次の物語は、「罪」を背負って生きているキャラたちの物語かなと思います。
さて、ブリード・加賀の罪とはなんでしょう?
ハヤトの罪とは?
名雲の罪とは?
他のドライバーたち、エンジニアたち、ヒロインたちの持つ罪とはなんでしょう?
もしかすると走ることがすでに「罪」なのかも知れません。
でも、それって走ることが危険だからってこと?ヒロインたちが心を痛めて待っているから?でしょうか。
人間は、誰でも「罪」を持っている、生きることがすでに「罪」なのかも、と。
やれやれ、なかなかに難しい問題、課題です。
では考えてみましょう。世界中で「罪」を背負わずにいる人間っているのでしょうか?
もしかすると、生まれたばかりの赤ちゃんだけかも知れませんね。
わたしたちは、生きるために、ご飯を食べます。
それって、お米、お魚、お肉、野菜などを食べると考えるだけでもすでにたくさんの生き物の命をいただいています。
難しい哲学的なことは脇に置いてみても、「SIN」=「罪」はとても深く、難しいテーマであり、意味だと思うのです。
では、「新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN」の物語から逆算で考えてみます。
加賀のこころに残っている、本気でハヤトとバトルしたい、この気持ちは本当に「罪」なのでしょうか?いや、この気持ちを心の奥底に抑えておくことが「罪」だとも思うのです。
わたしは、そんな加賀に、アスラーダと同等のマシンを与える名雲も心の奥に「罪」を背負っているんだと思うのです。だからこそ、第5巻での加賀への電話でのセリフ「ありがとう」になるのでしょう。
まあ、みんな大人げないと言うか、本音を言えない人たちばかりで、なんとも早です。
ちなみに、わたしは、「SAGA」のときに、文句ばかり言ってるハヤトが面倒くさいキャラだと思っていました。でも、改めて考えると人間らしいキャラなんですよね。
福田(己津央)監督、両澤(千晶)シリーズ構成のおふたりのなかでは、しっかりとした答えがあると思います。
わたしは、当時このタイトルに決まったときに色々聞いたと思うのですが、長い時間が経ち、忘れています。笑うしかないですね。
と言うことで、わたしが勝手に考えたことを書いてみました。
ですので、これはあくまでも古里の意見です。
福田監督が、ムック本やインタビューで違うことを話していたら、そちらが正しいので、わたし古里の意見はスパッと忘れてください。
他の作品のときにも書いたと思いますが、タイトルは、その作品のテーマを書いていることが多いです。あるいは、その作品のコンセプトが書いていることもあります。
物語をぐぐっと短くして書くこともあります。
ふと思うのが、「SIN」の意味から、漢字は「罪」でしたが、もしかすると「新」「真」「心」「信」「神」「深」あたりも、物語に合わさっている漢字かも、と思ったりします。
「サイバーフォーミュラ新」
「サイバーフォーミュラ真」
「サイバーフォーミュラ心」
「サイバーフォーミュラ信」
「サイバーフォーミュラ神」
「サイバーフォーミュラ深」
と、どれも良い感じです。
でも、やはり漢字でなく「新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN」と英字が良いですね。
ジョークを書きましたが、視聴者、読者の皆さまも好きな漢字を当てはめてみてください。
楽しいですよ。

古里尚丈(ふるさとなおたけ)
1961年5月3日生まれ。青森県出身。1982年日本アニメーションに制作進行として入社。1985年スタジオ・ジブリ『天空の城ラピュタ』制作進行。1987年サンライズ入社『ミスター味っ子』『勇者シリーズ』等、制作進行・設定制作・制作デスク・APを務め『新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA』からプロデューサー就任。『星方武俠アウトロースター』『GEAR戦士電童』『出撃!マシンロボレスキュー』『舞-HiME』『舞-乙HiME』他、オリジナルアニメーションを14作企画制作。
2011年2月企画会社、株式会社おっどあいくりえいてぃぶを設立。『ファイ・ブレイン~神のパズル』や『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で企画・プロデューサー。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』企画協力、『グレンダイザーU』制作統括として参加。現在、ゲーム等参加、新企画を準備中。




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