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記事: 第84話『サイバーフォーミュラSIN、サイバー総括?(前編)』

第84話『サイバーフォーミュラSIN、サイバー総括?(前編)』

いいじゃんのブログ原稿は、わたしが関わった作品を思い出して、色々な角度で作品の感想や、スタッフの紹介を中心に、わたし自身上手く行ったこと、失敗したこと、楽しかったこと、辛かったことなどを書くと決めてやってきました。

76話から第81話「新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN」を、1998年当時、制作することで起きる様々な事件?など思い出して書いてきました。

 

84話では、あえて「サイバーSAGA」から「サイバーSIN」、さらにゲームなども踏まえた「サイバーフォーミュラ」を総括的思考で書いてみようと思います。

先日、YouTube動画「ふるさとPアニメ道」の撮影で、「サイバーSAGA」と「サイバーSIN」の総括的に話をしたのです、そこで、思ったことがありました。

 

1995年に、わたしはど新人プロデューサーとして初めて今作に出会いました。

前シリーズとしてテレビシリーズ、OVA「サイバー11」と「サイバーZERO」がありました。

わたしはその続きを作ることになったわけです。

その経緯やドタバタはすでに前の原稿で書いております。

そして、2026年「サイバーSAGA」も、なんと30周年になります。

長い時間愛されてきたことを実感します。

 

改めて「サイバーフォーミュラ」シリーズの歴史です。

19913月にテレビ放送が始まりました。

そして、199211月から「サイバー11」全6巻。

1994年から「サイバーZERO」全8巻のOVAが発売しました。

わたしは、19968月から「サイバーSAGA」全8巻。199812月から「サイバーSIN」全5巻の発売となりました。

 

以降は、ゲームをいくつか発売していますが、残念なことにアニメの新作はありません。

シリーズ新作のアニメが作られていないことがポイントであり色々考えることがあります。

とりあえずプラモデル、ミニカー、グッズ展開となるのですが、それが、2025年の現在にずっと続いています。

 

テレビ放送からだと34年。

 

わたしが担当した「サイバーSAGA」は、来年30周年となります。

テレビ放送当時10歳の少年たちは、いま、44歳になります。

テレビシリーズ中盤からOVAシリーズでは、女性ファンが増えました。

その方々も、50代なのです。

 

この長い時間、「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」のことを覚えていてくれて、イベントやグッズなどの商品化があれば買い求めてくれるのです。

これは、作り手である自分としては有り難いし嬉しいのですが、どうして「サイバーフォーミュラ」の新作アニメが制作されずに放送、配信、発売がないのに、いまでも応援してくれているのか?の理由を知りたいのです。

 

「ファン」だから、「好き」だから、最近の言葉だと「推し」だから!と、言ってくださるかも知れません。

改めて、「ファン」とはなんでしょう?

 

調べてみました。

 

辞典に載っているのは、『熱心な支持者や愛好者』とのこと。

日本語では『贔屓(ひいき)』とも言います。

それこそ、「気に入った人を特に引き立てること、後援すること」とあります。

また熱狂的なファンを『マニア』と言います。

 

では、皆さんは「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」のなにに対してファンなのでしょう?

世界観、物語、キャラクター、マシン(メカ)、絵、声優、スタッフ、音楽、ボーカル等々。

 

「僕は、サイバーフォーミュラが好きなんです」。

「わたし、サイバーフォーミュラの◯◯さんを応援しています」などと、言ってくださいます。

 

それぞれの詳細を聞いて行くと、新条くんを応援したい、ZEROの◯巻のときの顔が好き、凰呀がカッコいい、加賀の声が好き、とか、細かく「好き」があります。

 

「サイバーフォーミュラ」のなかにある、何かを「好き」だから「推し」になって「応援したい」になるのだろうと思います。

 

男性ファン、女性ファン、テレビシリーズからのファン、ゲームからのファンなど、どのタイミングで見たのか?知ったのか?でファンの在り方、その度合いも変わります。

 

わたしも、自分の好きなアニメはあります。だから、わたしもそのアニメに対してファンなのです。つまり、自分がどうしてそのアニメを好きなのか?を考えて、自分なりの条件を考えてみました。

ちなみに、テレビシリーズだと「機動戦士ガンダム」「あしたのジョー2」「宝島」「スペースコブラ」「赤毛のアン」など。映画「地球へ…」「IDEON発動篇」「エースをねらえ!」「龍の子太郎」などなど。これらは、わたしが高校時代から写真の専門学校時代のアニメなのです。つまり、17歳くらいから21歳くらいまでの間に観たタイトルになります。

 

アニメ業界に入る直前までの作品です。

 

アニメ業界に入ってから胸をはって「ファンです!」と言えるアニメはないのです。

これは、アニメとの関わり方が変わってしまい、ファンの目で観れなくなっていることにも起因します。アニメ業界新人時代と言えども「ファンです」と言うと先輩たちに冷ややかな目で見られるので遠慮してしまったからかも知れません。

 

だから、アニメ業界に入る前のアニメが好きなんです、子供時代に素直に観ていたあの頃のアニメが好きですね。

「古里よ、いま現在、放送、上映されているアニメを楽しんで観ているのか?」と問われると、そうでなく、観察している部分があり心から楽しんでいないのかも?と思うことがあります。とても、残念です。

 

だから、ジャンルの違う宝塚を好きになったのかも知れません。

 

宝塚と出会って観劇が楽しみになり、男役、娘役と呼ばれるタカラジェンヌたちを観て、応援できるようになったのので、「ファン」や「推し」について自分の心のなかから、見つけ出すことができるのはとても有り難いです。

 

他にも、カメラが好き、車が好きなんて言うのもあるので、それも「ファン」になるための理由を考えるための強い味方になります。特に、車は高い買い物ですので、尚更です。

 

起業したあとに買った軽自動車、ホンダ「NONE」と言います。

わたしは、昔20代の頃に大昔の車に乗っていたことがあります。

とても古い車ですが、見た目すごく可愛い「ホンダZ」と言う360ccの小さな車です。

 

これが、わたしの頭の記憶の片隅に残っていたのです。

 

そこで、2011年夏にちょうどホンダが出した軽自動車が、丸目のライトで、レトロデザインだったのです。少しだけ「ホンダZ」の雰囲気があったのです。見て、これを買おう!と決めました。そう、ひと目見て「ファン」になったのです。

他に、ターボを積んでいるので、ちょっとだけ速く走ります。若い頃にターボに憧れた時期があるのです。あと、アスラーダには似ていませんが、軽自動車のくせにターボが積んでいてちょっと走り屋っぽいのは、サイバーフォーミュラ関係者として有りかも、と思って乗っているのです。

 

その車には、いまも乗っています。

 

いま、乗ってる車は、「ファン」を通り越してあって当たり前の存在です、あえて言うなら相棒ですね。

 

「ファン」の在り方、「好き」「推し」の在り方も自分のなかにある色々なことを引っ張り出すことでほんの少しだけ回答らしきものを出せるのかも、と思っています。

 

「アニメファン」「アニメマニア」と言う用語について、ふと考えることがあります。

それは、アニメ誌のことです。

アニメージュ(1978年発刊)、アウト、アニメックなどのアニメ誌が生まれ、発売して約47年経ってます。

「アニメファン」と言う用語は、これらアニメ誌の発売とリンクしているような気がしますし、アニメ誌のなかの記事に使われていたような記憶もあります。あるいは、「宇宙戦艦ヤマト」の映画の公開とアニメ誌のリンクのなかにあったのかも知れません。

 

ちなみにわたしも高校3年生の頃、青森県の田舎で「アニメファン」と言う言葉を使った気がします。

そして、1983年オリジナルOVA「ダロス」ビデオ発売が始まった頃から、より「アニメファン」と言う人種が顕在化し、世の中に目立つようになりました。

 

いま考えるとアニメはアイドルや芸能人の次にファンやらマニアが生まれやすいジャンルのように思いますね。

 

次回、後編では、「サイバーフォーミュラ」の「魅力」を考えてみたいと思います。

そして、「ファン」がいまも居続けてくれる理由を探ってみたいと思います。

 

 

古里尚丈(ふるさとなおたけ)

196153日生まれ。青森県出身。

1982年日本アニメーションに制作進行として入社。1985年スタジオ・ジブリ『天空の城ラピュタ』制作進行。1987年サンライズ入社『ミスター味っ子』『勇者シリーズ』等、制作進行・設定制作・制作デスク・APを務め『新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA』からプロデューサー就任。『星方武俠アウトロースター』『GEAR戦士電童』『出撃!マシンロボレスキュー』『舞-HiME』『舞-HiME』他、オリジナルアニメーションを14作企画制作。

20112月企画会社、株式会社おっどあいくりえいてぃぶを設立。『ファイ・ブレイン~神のパズル』や『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で企画・プロデューサー。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』企画協力、『グレンダイザーU』アソシエイトプロデューサーとして参加。現在、漫画原作、新企画を準備中。

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