第93回:『番外編その2~動画「宮村優子の音響クラフト」とのコラボ後編、声優さんについて色々考えてみました』
宮村(優子)さんの動画サイトとのコラボで、「ふるさとPアニメ道」に宮村さんがゲスト出演してもらいました。改めて、声優さんって何(者)だろう?と考えてみました。
わたしも、プロデューサーになってからたくさんの声優さんと一緒に仕事をしました。
そこで、色々お話してきました。
「ふるさとPアニメ道」は作品ごとに声優さんのことも書いてきましたが、今回は声優さんのこと、アフレコのこと、また、声優になりたいと言う若者に出会ったことなど、作品ごとでなく俯瞰で色々思い出せることを書いてみたいと思います。
わたしが声優さんに興味を持ったのは、高校時代まで遡ります。
当時、ラジオ番組「アニメトピア」とタイトルの放送がありました。
麻上よう子さんと吉田理保子さんがパーソナリティでした。これを毎週聞いていました。さらに、なんとサインが欲しいので往復はがきを出しました。森雪とモンスリーの顔を描いて出しましたら、それぞれのキャラのところにサインをして戻してくれたのてす。
本当に嬉しかったです。
そして、2011年3月に「舞-HiME」関係のアフレコがあってスタジオに行ったら、そこに吉田理保子さんがいまして、挨拶して実は、と話しました。
この時、吉田さんは制作マネージャ会い出来て本当に嬉しかったです。
声優さんは、たくさんのキャラクターの声を担当してますが、もし自分の好きなキャラクターの声を演っていたら、その方に会えたらやはり嬉しいものですよね。
わたし自身の経験からも、アニメにおいて「絵」で描かれたキャラクターに声と言う命を与えるお仕事は素敵だと思うのです!
わたしは、自分のアニメでは出演してもらえなかったのですが、とあるイベントでお会いした声優さん「白石冬美」さんに会えた時もめちゃくちゃ嬉しかったのですが、頑張って冷静を装っておりました。
「機動戦士ガンダム」のミライさんですよ。「あしたのジョー」のさちですよ!
「伝説のイデオン」のカーシャなんですから!!
今後、田島令子さんに会えたら舞い上がりますね。「ベルサイユのばら」のオスカルで「クイーンエメラルダス」のエメラルダスなのですから。
会える機会はなかなか現れませんね。
さて、こんな感じで声優さんはアニメを見たファンの心に残ります。
わたしが企画、制作に携わったアニメ作品、それもキャラクター、そして声(声優)について、どれくらい心のなかに残ったのか、ちょっと気になりますね。
いまでも思い出すのは、マイク前に立ってアフレコをやっているわけですが、リテークをもらって何度もやり直しをすることになって、履いてた靴を脱いで裸足で床に立ち、一生懸命にマイクに向かっている姿が印象的です。
これは、まだわたしが書いていないタイトルのエピソードなのでその時期が来ましたら書きたいと、思います。
昨今、声優さんに求められていることが多くて、大変だと思います。
演技力は言わずもがな、エックスなどSNSのフォロワーの数、ライブで歌って踊れるのか?雑誌など写真撮影はOKか?ラジオなど喋りは?イベント稼働は?
色々なファクターを踏まえて選ばれることがあります。
わたしが起業してすぐの頃とある専門学校でアニメ企画のセミナーを開いたことかまありました。いくつかの地方の専門学校です。教室にはアニメに興味のある若者が30人くらいいました。
何度か経験するとある法則に気が付きました。
教壇のわたしの近くになる前席に座る生徒たちが誰なのか?です。
アニメ、ゲームなどでディレクターやプロデューサーになりたい人たちでした。
そして、声優になりたい人たちなのです。
この法則は大学のセミナーでも、また、全く違う専門学校でも同じなのです。
数年経って、東京にあるとある専門学校に行きました。
今回は、生徒たちはみんな離れて後ろに座っています。
そして、マスクをした女子が向かって右端にいました。コロナ禍になるかなり前の話しです。
アニメ企画セミナーとして色々話して、生徒たちから質問をもらうコーナーになり挙手をしてもらいました。
あまり、手を挙げる生徒は少ないなか、やっとマスクをした女子生徒さんが手を挙げました。
開口一番、「わたし、声優になりたいんですが、なれますか?」と言いました。
かなり、唐突な質問だったのですが、わたしは、「すみませんが、逆に質問させて下さい。お芝居の勉強してますか?舞台とか出てますか?」と。
ずっと下を向いたまま、ボソボソと話してます。聞こえないので、もう少し大きな声で話してもらえないか?と言うとやっと少しボリュームが上がりました。
わたしは、他の専門学校にいた声優になりたい生徒さんたちは、どちらかと言うとわたしをみて!ハキハキ話すし、明るく前向きに感じる方々ばかりだったのです。
ご自身の個性を発揮し、気持ち派手めの服装の方々が多いのです。
当然、わたしは「舞-HiME」「GEAR戦士電童」などで見てきた声優さんたちの特性も知っています。特に女性陣は、自分の個性を際立たせるような服装が多いと感じます。
派手な人もいれば、服装のジャンルがある程度決まっているとか、個性があります。
ゴスロリっぽい服装の人はそのジャンルから様々な服装で来るのです。
いわゆる、自分をどう見せるのか?見せたいのか?を知っている気がするのです。
とにかく、その「声優になれますか?」と質問した生徒さんは、目立たないようにしているとしか思えないんです。
そして、もしマイナーで引っ込み思案であってもそれらをうまく隠してわたしたちプロデューサーやスタッフとコミュニケーションを取らないといけません。だからこそ、ある意味無理してでも、ハキハキと話して欲しいし、可能なら前の席に座って欲しいのです。
マスク(コロナ禍前ですから)で顔を隠しているのは良しとしても、少なくとも自分の名前を名乗るときはマスクを外すべきだと思うんですよね。
わたしには、存在を消したいように見えるのです、とにかく隠れたいのかな?と思えるのような感じなのです。そんな第一印象から始まり、わたしが、「お芝居の勉強をしていますか?」から、「声優さんになりたいなら、もっと自分を強く主張して欲しい」と言ってしまったのです。
ネガティブにならないように、気を使ったんですが、駄目でした。
その生徒さんは「わたしは、声優にはなれないって言うんですか?」と言うのです。
当然、そんなことは話していませんが、その生徒さんにとってそのように聞こえたのでしょう。
この時のことがあってから学校でのセミナーでは絶対にネガティブに聞こえることを生徒個人に話さないと決めました。一般論や集団に対しては言うことがあっても個人には言わないと決心しました。
正直な話し、声優になりたいなら演劇の勉強、舞台など出ていて欲しいし、映画や小説など観て読んで欲しいし、人間ドラマ、人間の持つ感情を知って欲しいのです。
泣く、笑う、怒る、悲しむ、泣き笑い、恐怖、ほくそ笑む、おびえる、地団駄を踏む、あっけらかんとする、妖艶、などなどたくさんの感情を知って、その感情表現をやれたら素敵ですよね。
そして、色々感情をマイク前にぶつける。
その時、周りにはスタッフや他の声優がいます。
つまり人前で演技をするわけですから、ある意味自分を見せることになります。
それには、ある意味強い精神力が必要です。
あるいは、わたしを見て!的な強い精神力が必要です。
どうしても、目立ってなんぼ!の部分もありますよね。
音響監督からダメ出しをもらっても何クソと頑張れる、へこたれない強さがないとまずいと思うのです。そうでないと、精神的に心が地下深くもぐってしまって浮上出来なくなりますからね。
そのとある専門学校での声優志望の女子生徒はわたしにとって、逆の意味での勉強になりました。さて、14年くらい経った現在、あの生徒はどんな仕事をやってるのかなぁ~?と思うのです。もし、声優をやっているなら会いたいです。どれくらい変化したのか?を見たいのです。
わたしは、声優になる人は、やはり、「自分を見て!」と言った精神力、ある面では超陽気で超強気でなければいけないのでは?と感じるのです。
改めて宮村さんのことで、思い出すことがあります。
「星方武俠アウトロースター」では、メインキャラクターのジーン、メルフィナ、鈴鹿、エイシャともにオーディションだったと思います。
あの頃は、新人さんだったんですよね。
しかし、「舞-HiME」アリッサ役の宮村さんは、オーディションではないです。
宮村さんが自身の声について、子供の頃から「変な声」「ぶりっ子」など言われていたと話していました。
でも、いまでは、その声が武器となり、様々なキャラクターを演じてきました。
そんな宮村さんの声だからこそ、さらに演技力があるからこそ、アリッサをお願いしました。
「勇者警察ジェイデッカー(1994年)」から、31年間声優業をしているんです。
唯一無二の声、演技力、あと観察力や読解力と想像力があるからこその音響監督もやってる姿を見ると、凄いなって思います。
古里尚丈(ふるさとなおたけ)
1961年5月3日生まれ。青森県出身。
1982年日本アニメーションに制作進行として入社。1985年スタジオ・ジブリ『天空の城ラピュタ』制作進行。1987年サンライズ入社『ミスター味っ子』『勇者シリーズ』等、制作進行・設定制作・制作デスク・APを務め『新世紀GPXサイバーフォーミュラSAGA』からプロデューサー就任。『星方武俠アウトロースター』『GEAR戦士電童』『出撃!マシンロボレスキュー』『舞-HiME』『舞-乙HiME』他、オリジナルアニメーションを14作企画制作。
2011年2月企画会社、株式会社おっどあいくりえいてぃぶを設立。『ファイ・ブレイン~神のパズル』や『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』で企画・プロデューサー。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』企画協力、『グレンダイザーU』アソシエイトプロデューサーとして参加。現在、漫画原作、新企画を準備中。




コメントを書く
このサイトはhCaptchaによって保護されており、hCaptchaプライバシーポリシーおよび利用規約が適用されます。