ふるさとPアニメ道
第23話:『ジブリ時代、なんと漫画原作の企画書を作らせてもらいました』
ジブリ時代、ある日のこと。 社長がわたしを呼びました。 はい、何でしょうか?と言うことで、そばに行くと、一冊の漫画の単行本を渡されました。 タイトルは知っていましたが、読んだことのない漫画です。 「古里くん、それ読んでアニメ化の企画書を作成して欲しい」と言うことなのです。 「え?」 わたしは、当時アニメの企画書など書いたことはありません。 それより、企画書を見たことがないのです。 い...
Read moreある日、宮崎監督がスタジオのビル2階の窓から外を見ていました。 ふと、気になったわたしともうひとり(誰だったのか思い出せないのです、残念)が、怖ごわ声をかけました。 そうしましたら、宮崎監督はひとつお話しを聞かせてくれました。 2階の窓の下は、有料駐車場があります。 その駐車場ととある建物の間にブロック塀があります。 ちなみに、窓下のとある建物も有料駐車場は、いまもありますよ。 ...
Read moreジブリ時代で思い出すのは、アニメーターの、「金田(伊功)」さんです。 さらにご自身が乗っていた軽自動車のスズキ「ジムニー」のことです。 「これ、誰か乗らないかな?」と、金田さんが話していたことが小耳に入りました。 わたしは、その時本音では欲しかったのですが、23歳の若輩者で貧乏で駐車場を持っていないことなど考えると「下さい!」とは言えませんでした。 四駆のジムニーは非常に味のある車で...
Read more第20話:『ジブリ時代はポケベルの思い出と最初のお仕事は駐車場さがしです』
あの頃のジブリは吉祥寺のとあるビルの2階のスタジオにありました。 当時、まだ制作進行はわたししかおりません。 そんなわたしのお仕事って何だったか?を考えました。 まだ、コンテがありません。つまり、作画打ち合わせはしていません。と言うことで、まだスタジオのなかにアニメーターさんはいません。美術、背景さんもいません。特殊効果さんもいません。色指定、仕上げさんもいません。 社長、宮崎監督、...
Read more第19話:『日本アニメーションを辞めた後、なんとジブリに入社しました』
コロナ禍が始まる前の年、2019年の頃。 東京は吉祥寺で打ち合わせがありました。 そして、なんとも懐かしい「武蔵野文庫」さんでの打ち合わせとなりました。 そこは、わたしが若い頃仕事をしていたスタジオジブリが入っていたビルの一階にある喫茶店です。 当時は、オープンしたばかりの喫茶店として「武蔵野文庫」はありました。 ただ、片手で数えることが出来るくらいしか入ったことがなかったのです。 カレーが...
Read more第18話:『ブーストをかけてSAGAからSINへ……のつもりが?』
前回も書いたように、「SAGA」の後半の記憶が薄いのです。 と、言うことで「サイバーフォーミュラSAGA」第8巻の納品を終えたタイミングまで時間を飛ばします。 当時のアニメ業界には、作品作りが始まる時に「打ち入り」と言うスタッフの顔合わせの会合があります。 「サイバーフォーミュラSAGA」でも打ち入りはやっているはずなのですが、全く記憶がありません。忙しすぎて、記憶が忙殺されたのでしょう...
Read more第17話:『大切な特殊効果、撮影、編集、ビデオ編集のこと書きます』
「サイバーフォーミュラSAGA」全8巻中、第1巻から第4巻あたりの記憶はありましたので、色々書くことが出来ました。 しかし、後半の巻数に起きたこと忘れてきています。 と言うことで、いままで書いていないアニメ制作の現場のことを少しだけ書きます。 今回は、アニメ制作にとってとても大切な部門の方々です。 特殊効果、撮影、編集、ビデオ編集のことをちょっと書きたいと思います。 「サイバーフ...
Read more第16話:『SAGA時代~ビジネス(商売・事業)と経営の意味を知り始めたあの頃です』
「サイバーフォーミュラSAGA」のプロデューサーとして参加していたあの頃、わたしはアニメを作ること、作れることだけで幸せでした。 自分の思考が、制作進行、制作デスクの気分の延長線上にしかなかったと思います。 プロデューサーには企画・制作・宣伝以外に、『ビジネス(商売・事業)』と言う新しい仕事が加わっていることにまだ気がついていないあの頃でした。 当たり前ですが、会社は利益が生まれること...
Read more第15話 :『ラピュタ、勇者シリーズとオリジナルアニメを作ることが普通でした』
わたしが、20代の進行時代、設定制作、デスク時代。 当時、仕事を覚えたスタジオジブリ「天空の城ラピュタ」もオリジナルアニメ。 サンライズでは「勇者シリーズ」等、担当している作品がオリジナルアニメだったので、自分にとってオリジナルアニメを作ることが当たり前であり普通なことでした。 いわゆる、空気を吸う、ご飯を食べることと何ら変わらないのです。 オリジナルアニメを企画し制作することに何の疑問...
Read more第14話:『全て中途半端だった自分がやれることがアニメだった(後編)』
前回に引き続き、後半を書きます。 さらにさらに影響を受けたのは、ある音楽です。 アーティスト瀬戸龍介氏の「五六七(みろく)」のレコードにある「スサノオノミコト」です。和とロックが混じったプログレ。 それこそ、スサノオノミコトの物語を謡うのです。 ヤマタノオロチを退治するシーンもあるのです。 聴くと絵が浮かぶ、そんな歌と曲です。 高校生時代にラジオで聴いて、テレビでも見て、和楽器とエレ...
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